大関貴景勝は新鋭の琴勝峰を退け、1敗でトップを守った。

埼玉栄高の3学年後輩に対して、押し合いからタイミングよく突き落とし。2場所連続の2桁勝利も決めた。2横綱、2大関が不在となった場所で、1人大関として終盤戦も優勝争いを引っ張る。

幕尻の志摩ノ海は新入幕で敢闘賞を獲得した昨年夏場所以来となる2桁白星を挙げた。豊昇龍を押し倒し、1敗を守ってトップをキープ。徳勝龍、照ノ富士に続く、今年3回目の幕尻優勝が現実味を帯びてきた。

三役に復帰した小結照ノ富士は妙義龍を下して星を9勝に伸ばし、2桁白星に王手をかけた。優勝争いに向けても2敗を守って1差でピタリとつける。竜電は宝富士との2敗対決を制して9勝2敗とした。

1敗が貴景勝と志摩ノ海、2敗が照ノ富士と竜電の2人、3敗は大栄翔と宝富士の2人となった。


11日目の取組模様を写真で振り返ります。


大相撲11月場所 全取組速報


幕内


貴景勝(10勝1敗)突き落とし琴勝峰(6勝5敗)

☆貴景勝「集中して気合入れて、それだけ考えてやっている。(琴勝峰は高校の後輩)ずっと先輩に立ち向かっていたので、今回初めて埼玉栄の後輩、だから何ってわけじゃないけど、どんどん埼玉栄(OB)が育っていることはうれしいこと。(琴勝峰は)二所(ノ関)一門の連合稽古で見ていても強い。強くなると思う、一生懸命やっていれば」

★琴勝峰「ちょっと力が入りすぎたし、そもそも地力が足りなかった」

取組前に、気合を入れる貴景勝(撮影・柴田隆二)
取組前に、気合を入れる貴景勝(撮影・柴田隆二)
琴勝峰(左)を突き落としで破った貴景勝(撮影・丹羽敏通)
琴勝峰(左)を突き落としで破った貴景勝(撮影・丹羽敏通)

御嶽海(6勝5敗)押し出し高安(6勝5敗)
高安(右)に土俵際へ追い込まれる御嶽海(撮影・小沢裕)
高安(右)に土俵際へ追い込まれる御嶽海(撮影・小沢裕)

翔猿(4勝7敗)はたき込み隆の勝(5勝6敗)

☆翔猿(関脇を破って勝ち越しに向けて踏みとどまる4勝目)「体は動いていた。(三役からの白星は)うれしいですね。自信になる。(上位戦が続く今場所は)疲れが半端じゃないです。緊張はしていないけど、(朝は)目が覚めにくい」

翔猿(右)は隆の勝をはたき込みで破る(撮影・柴田隆二)
翔猿(右)は隆の勝をはたき込みで破る(撮影・柴田隆二)

照ノ富士(9勝2敗)極め出し妙義龍(3勝8敗)

☆照ノ富士「落ち着いていけた。何回もやっているので、取り口は分かる。(2桁白星に王手)2桁以上が今場所の目標。達成できれば」

照ノ富士2桁白星王手、大関復帰起点へ絶対条件

照ノ富士(手前)に極めだしで敗れた妙義龍(撮影・丹羽敏通)
照ノ富士(手前)に極めだしで敗れた妙義龍(撮影・丹羽敏通)

霧馬山(1勝10敗)寄り切り栃ノ心(6勝5敗)
栃ノ心は霧馬山(右)を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
栃ノ心は霧馬山(右)を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

阿武咲(5勝6敗)寄り切り隠岐の海(5勝6敗)
隠岐の海(右)の突き押しをこらえる阿武咲(撮影・小沢裕)
隠岐の海(右)の突き押しをこらえる阿武咲(撮影・小沢裕)

玉鷲(6勝5敗)突き出し大栄翔(8勝3敗)

☆大栄翔「前に前にという意識でいった。踏み込みも大事だけど、2、3歩目も意識して、足で攻める意識でやっている。徐々によくなっている。(三役復帰へ)1場所でも早く戻りたい気持ちはある」

玉鷲(奥)は大栄翔に突き出しで敗れる(撮影・柴田隆二)
玉鷲(奥)は大栄翔に突き出しで敗れる(撮影・柴田隆二)

北勝富士(7勝4敗)突き落とし遠藤(6勝5敗)

☆北勝富士(10日目の宝富士戦に続いて長い相撲になったが)「昨日に比べればへっちゃら。集中しているので、(疲れは)場所が終わったらどっとくるけど、気持ちは切らしていない」

遠藤(手前)を突き落としで破った北勝富士(撮影・丹羽敏通)
遠藤(手前)を突き落としで破った北勝富士(撮影・丹羽敏通)

宝富士(8勝3敗)送り倒し竜電(9勝2敗)
宝富士(手前)を送り倒しで破った竜電(撮影・丹羽敏通)
宝富士(手前)を送り倒しで破った竜電(撮影・丹羽敏通)
2敗を死守した竜電は審判交代の間に土俵をまわる東京都の新型コロナウイルス感染対策を呼び掛ける幕に目を見張る(撮影・小沢裕)
2敗を死守した竜電は審判交代の間に土俵をまわる東京都の新型コロナウイルス感染対策を呼び掛ける幕に目を見張る(撮影・小沢裕)

琴ノ若(6勝5敗)押し出し照強(3勝8敗)

★琴ノ若「見過ぎてしまった。もっと攻めていって良かった。あとはしっかり切り替えて、思い切って自分の相撲を取りきれるようにしたい。」

高々と塩をまく照強(右)(撮影・丹羽敏通)
高々と塩をまく照強(右)(撮影・丹羽敏通)

佐田の海(3勝8敗)寄り切り炎鵬(2勝9敗)
佐田の海(上)は炎鵬を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)
佐田の海(上)は炎鵬を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)
佐田の海(上)は炎鵬を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)
佐田の海(上)は炎鵬を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)
佐田の海(左)は炎鵬を寄り切りで破りそのまま土俵下に落ちる(撮影・小沢裕)
佐田の海(左)は炎鵬を寄り切りで破りそのまま土俵下に落ちる(撮影・小沢裕)
佐田の海(左)は炎鵬を寄り切りで破りそのまま土俵下に落ちる(撮影・小沢裕)
佐田の海(左)は炎鵬を寄り切りで破りそのまま土俵下に落ちる(撮影・小沢裕)
佐田の海に寄り切りで敗れた炎鵬(手前)はそのまま土俵下に落ち痛そうな表情を見せる。奥は高田川審判長(撮影・小沢裕)
佐田の海に寄り切りで敗れた炎鵬(手前)はそのまま土俵下に落ち痛そうな表情を見せる。奥は高田川審判長(撮影・小沢裕)
佐田の海に寄り切りで敗れそのまま土俵下に落ちた炎鵬はしばらく腰を押さえてうずくまる。奥は高田川審判長(撮影・小沢裕)
佐田の海に寄り切りで敗れそのまま土俵下に落ちた炎鵬はしばらく腰を押さえてうずくまる。奥は高田川審判長(撮影・小沢裕)

豊山(3勝8敗)押し出し逸ノ城(4勝7敗)

★豊山「グイグイいく相撲を取りたかった。向こうも星が伸びていないし、力ずくできた」

豊山(左)を押し出しで破った逸ノ城(撮影・丹羽敏通)
豊山(左)を押し出しで破った逸ノ城(撮影・丹羽敏通)

豊昇龍(6勝5敗)押し倒し志摩ノ海(10勝1敗)

☆志摩ノ海「先手を取られたけど自分の相撲を取りきれた。昨日師匠(木瀬親方=元前頭肥後ノ海)に「まわしを取らすな。おっつけでジワジワ前に出るように」と言われたのがしっかりできた。やるしかない、という言葉を胸に相撲を取っているのができている。結果は後でついてくる。自分の相撲を取りきりたい。」

志摩ノ海は豊昇龍(左)を押し倒しで破る(撮影・小沢裕)
志摩ノ海は豊昇龍(左)を押し倒しで破る(撮影・小沢裕)

千代大龍(7勝4敗)突き出し石浦(6勝5敗)

☆千代大龍(10日目は同じ小兵の炎鵬に敗れ)「思い切り突っ込むか直前まで考えたけど、相手がどんな立ち合いをしても前に出ないといけない。もろ手で思い切りいこうとした。(7勝目で)幕内残留は濃厚なのかなと僕の中では8割くらいはある。それに甘んずることなく8番、9番といきたい」

千代大龍(左)は石浦を突き出しで破る(撮影・柴田隆二)
千代大龍(左)は石浦を突き出しで破る(撮影・柴田隆二)

十両


貴源治(6勝5敗)寄り倒し納谷(5勝1敗)

納谷決めた新十両昇進「気持ちと体一緒に」会心白星

納谷(上)は貴源治を寄り倒しで破る(撮影・柴田隆二)
納谷(上)は貴源治を寄り倒しで破る(撮影・柴田隆二)
納谷(左)は寄り倒しで貴源治を破る(撮影・小沢裕)
納谷(左)は寄り倒しで貴源治を破る(撮影・小沢裕)
納谷(左)は寄り倒しで貴源治を破る(撮影・小沢裕)
納谷(左)は寄り倒しで貴源治を破る(撮影・小沢裕)

(4勝7敗)小手投げ松鳳山(2勝9敗)
勢(上)は松鳳山を小手投げで破る(撮影・柴田隆二)
勢(上)は松鳳山を小手投げで破る(撮影・柴田隆二)

幕下


北大地(2勝4敗)上手投げ千代の勝(3勝3敗)
大相撲11月場所11日目 幕下の前半戦で北大地と千代の勝の一番は取組時間が長時間のため「二番後取り直し」となった(撮影・柴田隆二)
大相撲11月場所11日目 幕下の前半戦で北大地と千代の勝の一番は取組時間が長時間のため「二番後取り直し」となった(撮影・柴田隆二)
幕下の北大地-千代の勝戦は長時間の一番となって行司木村悟志が取り組みを止めた(撮影・丹羽敏通)
幕下の北大地-千代の勝戦は長時間の一番となって行司木村悟志が取り組みを止めた(撮影・丹羽敏通)
幕下の北大地-千代の勝戦は二番後取り直しとなった。行司木村悟志(撮影・丹羽敏通)
幕下の北大地-千代の勝戦は二番後取り直しとなった。行司木村悟志(撮影・丹羽敏通)
二番後、北大地と千代の勝の「先程の取直し」の幕が掲げられた(撮影・柴田隆二)
二番後、北大地と千代の勝の「先程の取直し」の幕が掲げられた(撮影・柴田隆二)
大相撲11月場所11日目 二番後、取り直しで千代の勝(左)が北大地を上手投げで破るも疲労困憊(こんぱい)の表情(撮影・柴田隆二)
大相撲11月場所11日目 二番後、取り直しで千代の勝(左)が北大地を上手投げで破るも疲労困憊(こんぱい)の表情(撮影・柴田隆二)