宝塚 ~ 朗らかに

普段着のダンディズム 圧倒的存在感/真風涼帆

宙組トップ真風涼帆(まかぜ・すずほ)主演の「FLYING SAPA-フライング サパ-」が大阪・梅田芸術劇場で上演され、11日に閉幕した。本拠地作以外の“別箱”公演としては、約5カ月ぶり再開だった。東京・日生劇場では9月6~15日に上演予定。

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175センチ長身にロングコートが映える。きらびやかな衣装はない。日常、男性が着ているような、飾り気のない“普段着”で銃を背負い、構える。衣装に頼らず、醸し出す空気、立ち居振る舞いで「男」を表現していく。真風ならではの男役芸で魅了した。

舞台は未来の水星。戦いに明け暮れる地球から、太陽の活動が弱まった水星へ人類が脱出したが、そこでは人間が管理されていた。真風は記憶を消された兵士役で主演。過去4年の記憶しかなく、生きる目的を見いだせない。退廃的な世界観を描くSF作品に、真風の放つダンディズムが交錯し、独特の「サパ・ワールド」が仕上がった。

相手娘役の星風まどかは総統の後継者にふんして熱演。人気スター芹香斗亜(せりか・とあ)は、反政府運動の活動家で精神科医を演じた。

今作は当初、3月30日に東京・TBS赤坂ACTシアターで開幕予定だったが、直前に中止決定。真風は、当時を「上田久美子先生が長年、温めてこられた作品、初日に向けてお稽古を積み重ねていたところ、思いもよらず、全日程中止となってしまい、本当に悔しい気持ちでいっぱいでした」と振り返る。

開幕に備えた稽古も仕切り直し。上演スケジュールが見直され、今回の上演に至った。大阪に続き、東京でも上演(日生劇場)が決まり、その際には「4カ月充填(じゅうてん)したエネルギーで、皆さまに大きな感動をお届けできるよう、出演者一同、心をひとつにして舞台に臨みたい」と意気込んでいた。

本拠地作以外の宝塚歌劇は、2月末に中止となった月組の愛知・御園座公演「赤と黒」以来。5カ月ぶりの別箱で、真風が圧倒的な存在感を発揮した。【村上久美子】

◆FLYING SAPA-フライング サパ-(作・演出=上田久美子) 時代設定は未来。舞台は水星(ポルンカ)。過去を消された男と、記憶を探す女を、謎に満ちたクレーター「SAPA」を軸に描く。SAPAの奥地、到達すれば、望みがかなうとされ、夢を追う者や、罪に追われた者が侵入していた。そのSAPAへ、過去を探す男と女もやってくる。

夢の舞台を創り続けて100年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

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