有名人によるセクハラ問題がハリウッドを揺るがせる中、名優ダスティン・ホフマン(80)に、新たなセクハラ告発が浮上した。

 3人目となる告発者は女優のキャスリン・ロゼッターで、9日、米ハリウッドリポーター紙に掲載されたエッセーの中で、1983年にブローウェイの舞台「セールスマンの死」でホフマンと共演した際、毎日のように性的虐待を受けたと告白した。

 ハリウッドリポーター紙によると、ホフマンの広報はコメントを拒否しており、当時の舞台関係者らも虐待行為を目撃していないと語っているという。ロゼッターによると、ホフマンは舞台の袖で出番を待っている間にスリップの下から手を入れ、太ももに触れるなどした上、「虐待行為は毎回、さらに過激になっていった」という。

 また、記念撮影の際に胸をつかまれるなどしたため、ロゼッターは当時、ホフマンに詰め寄り、「もうやめて欲しい」と強く訴えたが、3日後には以前と同じようにセクハラが続いたと語っている。

 先月、事件当時17歳のインターンだった女性作家によるセクハラ告発が浮上し、ホフマンは「女性を尊敬する私らしくない行為だ。本当に申し訳ない」と正式に謝罪した。しかし、1991年にホフマンにセクハラを受けた女性プロデューサーも名乗りをあげるなど、過去の被害告発が相次いでいる。

 ホフマンは映画「クレイマー、クレイマー」(1979年)、「レインマン」(1988年)でアカデミー主演男優賞を2度受賞するなど、ハリウッドを代表する名優の一人として知られる。(ニューヨーク=鹿目直子)