脳科学者の茂木健一郎氏(56)が、テレビ衰退の現状を伝えたブログが大きな反響を呼び、驚きをつづった。

茂木氏は22日、「地上波テレビ、衝撃の凋落」のタイトルでブログを更新。若者を中心にテレビ離れが進んでいる現状を顕著に示す例として、「先日、心から驚いたことがあった。中学生と話していたら、『明石家さんま』さんを知らなかったのである。『それ誰ですか?』と言った彼は、即座にスマホで調べていた」というエピソードを披露。また、ある中高一貫校の約2000人の全校生徒にNHK連続テレビ小説や大河ドラマを視聴しているかと尋ねたところ、連続テレビ小説は10%程度の生徒が見ていると手を上げたそうだが、「大河ドラマ『西郷どん』を見ている人、と聞いたら、その結果があまりにも衝撃的だった。なんと、2000人中、たった『一人』しか見ていなかったのである」と明かした。

一方で深夜に放送されているアニメが若者に熱く支持されている現状に触れ、「子どもたちから若い世代にとって、地上波テレビとは、極論すれば、深夜アニメを流すための媒体である。では、深夜アニメの何が彼らのハートを熱くつかんでいるのかと言えば、やはり、企画、制作で世界観、オリジナリティーを追究して、作画の方々が(忙しくて時々『作画崩壊』を起こしながらも)一生懸命つくり、声優の方々もいい仕事をして、クオリティーの高いものをつくっているからだろう」と茂木氏。きちんとしたコンテンツを作ることがテレビに残された希望だとし、「まだまだ、テレビにはできることがあるはずだ。テレビ関係者の、奮起を期待します」とつづっていた。

このブログは大きな反響を呼び、茂木氏は23日にツイッターで「たくさんの方にお読みいただき、またコメントもいただきありがとうございました。LINE BLOGのアクセス数で、1位になってびっくりです」と驚くとともに、「地上波テレビがよりよいメディアになることを祈念しています」とあらためて期待した。