来年1月スタートのNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、主人公の戦国武将・明智光秀を演じる長谷川博己(42)が20日、滋賀県大津市にある光秀の菩提(ぼだい)寺と伝えられる西教寺を訪れた。墓前で手を合わせた長谷川は「光秀の神秘」の迫ることを誓った。

本殿で戦死した部下18人を弔うため、光秀が同寺に供養を依頼した際の直筆の書状「供養米寄進状」をみた長谷川は「字からは繊細なやさしさが伝わってきた。芸術性のあった方なのかなとふと、思った」と感じ取った感想を話した。

光秀と言えば、本能寺の変で主君である織田信長を討ち、非道な逆賊のイメージが強い。謀反の動機はさまざまに説かれるが、いまだ謎に包まれている部分は多い。「明智の資料を調べれば調べるほど、ワケが分からなくなってきて…。本当に正体のない人物なんだなと気がしてきた。こういう人物だと決めずに、演じていく上で、自分自身を通して『光秀の神秘』に迫っていきたい」と意気込んだ。

明智一族の墓前で手を合わせた長谷川は「私が明智光秀を演じますが、よろしいでしょうか。必ずいいものにしますと念を込めた」と明かした。側室をとらず、夫婦仲むつまじかったという光秀。明智一族の墓の近くにたたづむ妻・熙子(ひろこ)の墓にも花を供えた。

今年3月まで放送されていたNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」ではヒロインの夫萬平を演じた。ラーメン作りに励んだ主人公から一転、戦国武将役に「まったく違う役です。できるだけ過去のことは切り離して、まったく違う世界に入っていこうと。もう入っています。片足は突っ込んでいます」と笑顔を見せた。6月上旬にクランクインする予定。