新型コロナウイルス感染拡大の影響で破産の危機にあると伝えられる米国最大の映画館AMCが、低価格で映画館のスクリーンを丸ごと貸し切りにできる新たなプログラムを開始した。

パンデミックによるロックダウンで3月中旬から閉鎖されていたAMCは、現在はロサンゼルスやニューヨークなど一部の都市を除いて全米の約7割で入場者数を制限して営業を再開しているが、感染への懸念や新作映画の公開がないことなどから売り上げは激減している。

そんな中、AMCは入場者数20人を上限に99ドルからスクリーンを貸し切りにして、映画館で家族や友人でパーティーができるプランを発表。観客は34本の中から好きな映画を選ぶことができ、現在公開中の「TENET テネット」を含む新作映画は149ドルから貸し切りで楽しめるようになる。食事の持ち込みやマイクなどの貸し出しも行い、空席の劇場を有効活用して安全に映画を楽しめる方法として注目を集めている。

AMCは8月20日から徐々に営業を再開しているもののコロナ禍で客足は戻らず、このままの経営状態が続けば早ければ年内にも現金が枯渇する可能性があることを明かしていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)