NHK人気ドラマ「事件記者」などテレビ、映画の名脇役として活躍し、13日午後、心不全のため亡くなった俳優山田吾一さん(享年79歳)の通夜が18日夜、横浜市の双葉斎場で行われた。俳優仲間の加藤武(83)、滝田裕介(81)ら約220人が参列した。戒名は「放光院禅月悟道居士(ほうこういんぜんげつごどうこじ)」。俳優として人々に光を当て続けたが、本人は若いときから苦労してきたので仏様が報いるようにと名付けられた。

 亡くなった時の詳しい状況も判明した。13日夜、山田さんは夕食の準備を1人でしていた時に倒れたとみられる。その後、1人娘のNHK職員の亜樹さん(51)が山田さんの家を訪れると、台所に倒れていた山田さんを発見し、救急車を呼んだ。ガスこんろには調理中の鍋などが置かれたままだった。火は自動で消えていたという。

 ひつぎには愛用していた帽子や、亜樹さんが編んだ手編みのマフラーが入れられる。今年8月に亜樹さんと孫2人の4人で北海道せたな町に行った最後の家族旅行の写真も入れる予定だ。

 テレビでの最後の仕事は、今月22日にNHKで放送される「ファミリーヒストリー」(月曜午後10時)で受けたインタビュー。その回のゲストは余貴美子だが余の父が経営していたバーで山田さんがアルバイトをしていたという縁で今年6月に取材を受けたという。取材後、NHK局内で亜樹さんとお茶を飲んだ山田さん。最後の仕事でも最愛の娘と一緒だった。