【リオデジャネイロ15日(日本時間16日)=エリーザ大塚】五輪選手村で前代未聞の珍事が発覚した。9日に行われた女子シンクロ高飛び込み決勝で、最下位に終わった地元ブラジルのイングリッド・オリベイラ(20)ジョバンナ・ペドロソ(17)組。2人が使用していた選手村の部屋にオリベイラが男性を連れ込んだことで大ゲンカとなったことが話題になっている。

 肝心の本番で息が合うはずもなく、回転のタイミングなどはバラバラ。出場8組で唯一300点に届かず、7位に20点差をつけられる惨敗だった。

 地元メディアの報道によると、試合前日、ペドロソが部屋に戻ると、オリベイラが同国カヌー・スラローム代表のペドロ・ダシルバ(23)と“ペア”を結成していた。相棒から「2人きりにして」と締め出しを食らい、穏便に済ませようとするチーム関係者まで「イングリッドも大人だし…」と、なぜか男性を連れ込んだ側の肩を持つ始末。騒動は通信アプリで他の選手に広がり、一時は同国オリンピック委員会も代表追放を検討したが、結局大ごとにしない方針から処分は見送られた。

 「私は飛び込みがしたかった。彼女は『他のこと』がしたかった」と怒り心頭のペドロソに対し、オリベイラは「ケンカして会話もなかったが、自国開催の貴重な機会だから出場はした」。違うクラブに所属し、かねて仲が悪かった2人。動きを合わせる競技にもかかわらず、別々に練習することも多かったという。試合後にペアを解消した。

 ちなみに女子2人の仲を引きちぎったダシルバは10日のカヤックシングル決勝で6位入賞。「プライベートの話はしたくない」と素知らぬ顔で言った。