東京オリンピック(五輪)の男子テニスで、2大会連続でのメダル獲得を狙う錦織圭(31=日清食品)が17日、契約する総合住生活企業のLIXILのオンライン・イベントにリモート参加。日焼けした姿を披露し、「この2週間、真夏の中でしっかり練習してきた」と、五輪へ向けて、準備万全だ。

テニスは4大大会が頂点とはいえ、五輪の舞台は、やはり趣が異なる。「前回のリオでも、水泳を見ていたら、どんどんメダルを取っていた。自分も勇気をもらい、頑張ろうと思った。テニス大会とは違う刺激は大きい」と、錦織も認める。

ただ、「(五輪は)皆さんの力が大きい」という錦織やプロ選手にとって、今回は無観客だ。「お客さんがいないのは、僕たちにとってはつらいこと。だから、逆に、皆さんの分まで頑張りたいと思う」と、ファンの心を普段より大きく感じ、無観客を逆に味方に付けたい。

オリンピックでは、テニス以外に注目する競技は「陸上の100メートル。体の限界で一瞬で決まるハラハラ感がテニスと違っておもしろい。知り合いの山県君のレースを見てみたい」。錦織は、山県亮太が、18年に、錦織が拠点とする米フロリダIMGアカデミーで合宿した時に知り合い、交流を深めた。

最近のリラックス方法は「アニメ鑑賞が趣味」。お気に入りは「BANANA FISH」や「Vivy」だという。選手村にもタブレット端末を持ち込み、長年の趣味であるゲームやアニメ鑑賞でリラックスするつもりだ。

もうすぐパパになる。予定日という質問には「もうちょっとです」。男の子か女の子かには「どっきりスタイルで、生まれてからの楽しみで」と、けむに巻いた。第1子誕生には「楽しみだけど、心配もある」と、妻・舞さんの体調も気づかった。

前回の16年リオデジャネイロ五輪では、銅メダルを獲得し、日本テニス界に、20年アントワープ五輪の熊谷一弥以来96年ぶりのメダルをもたらした。「メダルを目指して頑張りたい。苦い思い出にはしたくない。楽しく、自分の力を出し切りたい」。東京五輪テニス競技は24日に開幕する。