男子は在所1位の沢田桂太郎(28=大分)が、3連勝していたライバル伊藤京介の先行を豪快にまくって卒記王者となった。卒業式は19日に行われ、早ければ5月8~10日の松山から始まるルーキーシリーズ(全5戦)でデビューする。

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在所1位の自治会長が、有終の美を飾った。号砲と同時にSを取った沢田桂太郎は、終始前団で冷静に戦況を見つめた。3連勝で勝ち上がった伊藤京介が先陣を切る。沢田が最終バックでまくると、伊藤との並走がヒートアップする場面もあった。それでも、最後は力でねじ伏せた。

「プラン通りに走れました。1年間やってきたことが、決勝でできた。両親、高校の顧問、ロードチームの関係者や、ファンの方。その前でいい走りを見せられてうれしい」

中学までやっていた陸上は、伸びしろを感じなかった。トライアスロンの競技者だった父の影響でロードバイクに乗り始めると、才能が開花。いつしか「自転車で人生を組み立てたい」と感じるようになっていた。東京五輪に出る夢はかなわなかったが、日大やロードレースのチームで培った経験が、即戦力のスーパールーキーを生んだ。

前検日の15日、西武園G3で同郷の阿部将大が優勝した。「将大さんには高校時代から良くしていただいていた。今度は僕が優勝して、大分を沸かせたかった」。今後は地足を生かした走りで、九州を代表する先行選手を目指す。

今月6日、男子選手候補生1人が落車する事故が発生し、13日未明に死去した。観戦者の黙とうから始まった今大会。半旗が掲げられたバンクで、悲しみを胸にしまい、気丈に戦った候補生たちは、亡き彼の思いも背負って厳しいプロの世界へと羽ばたく。【松井律】