湘南ベルマーレの曹貴裁監督(49)は、FC東京を相手に今季リーグ戦初黒星を喫し「よくサッカーで言う、後半の立ち上がりのワンプレー目に、我々のちょっとしたというか、気を抜いたというか…そういうところを相手に仕留められた。逆に監督として良かったかなという感じがする」と、独特の言いまわしで総括した。

 初黒星を「良かった」と語った真意については「(今季リーグ戦は)3回、負けていなかったので、そういうミスは後ろが何とかしてくれるだろう、GKが出してくれると…。意識的にゆるんだわけではないですけど、無意識に、そういう場面が今までに比べるとあった。向き合う時間があるのは、今後のリーグ戦には悪くない」と語った。

 一方で、後半立ち上がりの一瞬のミスを突かれたことについては「相手がうまくて崩されて、やられたゴールであれば次に向かえるけれど、注意していたにも関わらず…我々には重い」と本音も吐露した。

 この日はシュート数でも2対12と圧倒された。曹監督は「ただ、東京さんのファイティングスピリットみたいなのは、私が見た試合の中でも非常にあったと思いましたし球際、運動量も今まで以上に、非常に頑張って我々を止めに来た。学ばないといけない」と東京をたたえた。

 その上で、今季のスローガン「ALIVE(アライブ)」を引き合いに、「交代の選手も含めて、J1で戦ってアライブしていこうと思ったら、誰もがガクッときて、チームメート全体が前に進めないようなミステイクは極力、減らさないといけない」と課題を口にした。さらに「戦術、やり方以前の責任感…選手には今日、レスポンス&アビリティの話をしましたけど、何か言われた時に対応する力が、まだJ1では我々は足りないと今日、思った。一朝一夕では作れないけれど、徐々に良くなってきた部分、足りない部分は、僕自身もはっきり感じたのでポジティブに考えたい」と選手に注文を付けた。

 湘南にとって、味の素スタジアムは17年10月28日に東京ヴェルディ対アビスパ福岡戦が行われ、福岡が0-0で引き分けたため、戦わずして1年でのJ1復帰が決まった、ゲンのいい地だった。そこでJ1での18年初黒星を喫し、新たな因縁が生まれた。【村上幸将】