台風で延期となっていた第35節のカマタマーレ讃岐対FC町田ゼルビアの試合が10月31日に行われ、1-1で引き分けた。

これで全チームが39試合を消化し、J2は残り3試合となった。大分トリニータが勝ち点72で首位に立ち、松本山雅FCが同2差の2位、J1自動昇格圏の松本と同1差の3位に町田がつけた。

町田と勝ち点2差で横浜FCと東京ヴェルディが並び、総得点の差で横浜FCが4位につけた。この2チームを勝ち点1差で6位アビスパ福岡が追う。福岡と同2差の7位・大宮アルディージャは、2位の松本との勝ち点差が6で、J1自動昇格圏争いに黄信号がともっている。大宮と勝ち点8差の8位ヴァンフォーレ甲府以下のチームは、J1昇格の可能性が消滅した。

今節は、今季を決定付ける可能性が高い、上位直接対決3試合に注目だ。

<1>横浜FC(4位・勝ち点67)対大分(首位・勝ち点72)

過去の対戦を見ても、直近は大分が1勝2分けで3戦無敗を継続中も、近年は接戦が続いている。2010年以降、両チームがJ2で対戦した13試合を見ても、大分の4勝、横浜FCの3勝はいずれも1点差ゲームで、引き分けも6試合と拮抗しており、今回も激しいせめぎ合いが予想される。大分は、前節10月28日の松本との首位攻防戦を1-0で制して勢いに乗る。同戦での決勝弾を含め2戦連発、3ゴールのFW三平和司が絶好調だ。一方、横浜FCはリーグ戦37試合に出場し、得点ランク4位の17得点を決めているFWイバ、同34試合に出場のMF野村直輝と主力2人を出場停止で欠く。4月に大分のホームで戦った第1戦は1-1だった。その試合でも先制弾を決めた、イバ不在の影響が、どう出るか?

<2>松本(2位・勝ち点70)対東京V(5位・勝ち点67)

前節、松本は大分に敗れて無敗が8でストップした。自陣ゴール前でボールを奪われた末に、大分自慢のパスワークに崩された、嫌な形の失点だった。一方の東京Vは愛媛FCと2-2で引き分け、連勝は2でストップした。前半31分に先制され、1度は逆転しながらも後半22分に追いつかれた。互いに巻き返しを図りたい両チームの対戦となったが、過去の対戦成績は松本が6勝3分け2敗と上回り、ホームでも2勝3分けと負けがない。ただ、3月に東京Vのホームで戦った第1戦は、東京Vが2-1で、12年3月のホーム戦(2-0勝利)以来6年、10戦ぶりに勝っており、苦手意識は払拭(ふっしょく)しているだろう。前節、勝ち点を落としたことを、どれだけ切り替えられているか…そこが勝敗を分けるカギになると見る。

<3>町田(3位・勝ち点69)対福岡

町田は台風で延期となった第26節レノファ山口戦と讃岐戦を消化しなければならず、10月17日の山口戦から同31日の讃岐戦まで2週間でアウェー4連戦を戦った。山口戦から中3日で戦った同21日のファジアーノ岡山戦は0-1、0-2で敗れた同28日のアルビレックス新潟戦から中2日で迎えた讃岐戦もドローに終わり、2連敗を含む3戦未勝利と過密日程の影響を感じさせる失速ぶりだ。加えてホームに迎え撃つ福岡とは相性が悪く、リーグ戦は1勝2分け2敗の上、ホームでは2戦全敗だ。一方、福岡もここ5戦は無敗だが、ここ2戦はともに引き分けと勝ち切れていない。現在、J1自動昇格圏2位の松本との勝ち点差は4。今節で7差に広がった場合、自動昇格の可能性が消滅するだけに、町田戦は絶対に負けられない。2戦連発中のFW石津大介のゴールを、勝利に結び付けたい。

残留争いでは、最下位ロアッソ熊本の自動降格圏が確定した。21位の讃岐は、勝ち点40で並ぶ19位の京都サンガFC、20位FC岐阜との勝ち点差が9で、今節の結果を受け、7差に開いた時点で自動降格圏が確定してしまう。例年、残留を死守してきただけに、踏ん張りたいところだ。