ベガルタ仙台MF梁勇基(36)がみちのくダービー最多得点記録を更新し、初タイトルに一役買う。2日、仙台市泉サッカー場で5日の天皇杯準決勝モンテディオ山形戦へ向け、シュート練習中心に調整した。ダービーの最多得点は91年から96年に山形MF広沢憲二が記録した8ゴールが最多だが、主に東北社会人リーグ時代の記録。Jリーグでは6得点を挙げた梁が抜きんでている。

梁 そういう記録を意識してプレーしたことはないが、ホームだし天皇杯のタイトル獲得のチャンスも懸かっている。サポーターの負けたくない気持ちが伝わってくる独特の雰囲気の中、とにかくボールを奪ったら『行け!』となる。うまくコントロールする部分と、チャンスに思い切っていく部分とメリハリをつけて戦うことが大切。J1を倒してきた相手で簡単な相手ではないが、気持ちで負けないように気を引き締めて臨みたい。

背番号10を背負い、数々の名勝負を経験してきた梁だが、05年5月にホームで行われたダービー戦が忘れられないという。当時山形の秋葉勝、長谷川悠にミスを突かれ2点を先制されたが、後半に平瀬智行、梁のゴールなどで3点を奪って逆転勝利を収めた。「涙を流す選手もいて、あれは劇的でした」。3年ぶりのダービーマッチを制し、悲願の初タイトルへと突っ走る。【下田雄一】