サッカーゲームの腕前を競うeスポーツ大会「eJリーグ ウイニングイレブン2019シーズン」の本大会が14、15日に東京都内で開催される。

J1、J2全40クラブ(1クラブ代表3人)の対抗戦で、オンライン予選には全国から21万5859人がエントリー。北海道コンサドーレ札幌からは同予選と代表選考会を突破した高校生トリオ、富士大翔(1年)上野雄大(3年)冨山晴登(1年)が挑む。優勝すれば賞金500万円がクラブに入る「ガチ勝負」。赤黒の戦士が初代王者を目指す。

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高校生ゲーマーが「足技」ならぬ「指技」で勝負する。サッカーはサッカーでも、ゲームで対戦するeスポーツ。だが、クラブに入る賞金は優勝で500万円と高額で、貴重な臨時収入となる。札幌サポーターでもある富士は「(賞金を)獲得できれば応援しているチームに貢献できて、何よりうれしい」と気合が入っている。

人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン2019(家庭用)」は、eスポーツ競技として昨年のアジア大会では公開種目にもなった。今大会はJ1、J2全40クラブが実名で登場するモバイル版で争われる。クラブ代表はオンライン予選と代表選考会を勝ち抜いたフル(年齢制限なし)U-18(18歳以下)U-15(15歳以下)の3人で構成。札幌の平均年齢は15・6歳で、全チーム最年少で臨む。

高校サッカー部員がオンライン予選で激戦区を突破した。網走市内の高校に通う富士は札幌のフル部門にエントリー。全クラブで2番目に多い参加1万7406人の頂点に立ち、代表となった。「実感はない。驚いてます」。オンライン予選は前線の右サイドに配置したMF小野を起点に、FW鈴木らが裏に抜け出す作戦で1試合平均3・1得点。サッカー部ではFWだけに「パスとか戦略とか、つながる部分があります」と、実際の競技スキルを生かした。

eスポーツでも難敵とぶつかる。4チーム10組による予選リーグは川崎フロンターレと同組。上野は「実際のリーグ戦でコンサドーレは1度も勝てていない。ウイイレで、まずは勝ちたい」と対抗心を燃やす。3人いずれも勉強や部活、アルバイトと両立しながら、eスポーツの大舞台にたどり着いた。「優勝を狙いたい」と富士。クラブ側は今大会の賞金を強化・育成に充てると公表しており、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を目指すチームを、“12人目”の赤黒戦士が後押しする。【西塚祐司】

◆eJリーグウイニングイレブン2019シーズン(主催・Jリーグ、コナミデジタルエンタテインメント) オンライン予選と代表選考会で決まったJ1、J2全40クラブ代表がフル、U-18、U-15の3カテゴリーで争う。14、15日の本大会(東京・ビッグサイト)は4チーム10組の予選リーグ1位と各組2位上位6チームが決勝トーナメントに進む。賞金総額1500万円で優勝500万円、準優勝200万円、3位100万円。本大会はJリーグの公式ユーチューブチャンネルなどで配信され、ゲスト解説に14日は北沢豪氏、15日は播戸竜二氏が登場する。

○…U-18の上野は大会屈指の注目選手だ。17年モバイル版のオンライン順位で日本1位、世界3位の実績がある。強さの秘訣(ひけつ)は「メンタル面。流れが悪い時にパスミスとかしないことが大事」と話す。札幌ユース所属の友人もいるため「コンサドーレにはすごく親近感がある。負けられないです」と意気込んだ。

○…U-15の冨山は土壇場の勝負強さが持ち味だ。代表選考会の最終戦は前半を1-4の劣勢で折り返した。後半開始から交代3枠を一気に使って反撃。FWジェイの4得点で大逆転し、代表入りした。リーグ戦をダゾーンですべて観戦する札幌サポーターで「ペトロビッチ監督のサッカーは攻撃的で楽しい。自分は2人の足を引っ張らないように頑張りたい」と声を弾ませた。