松田瑞生(24=ダイハツ)が日本歴代6位となる2時間21分47秒で2年ぶり2度目の優勝。日本陸連が定める派遣設定記録2時間22分22秒を突破し、残り1枠だった東京オリンピック(五輪)代表の最有力候補となった。

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松田は、レース前日25日から余裕が漂っていた。ピリピリムードの選手が多い中、1人だけ違った。宿泊先の朝食会場から出てくると、カラフルに彩られたネイルを披露。緊張感とは無縁だった。

そして手にもっていたノートの中身を聞くと、練習日誌だった。嫌がる選手も多いが、それも惜しげなく披露してくれた。1月23日の日誌の最後には、こう記されていた。

「朝のぜんざいのお餅が美味しすぎて、幸せすぎた びょょーんって伸びた ご飯を食べ始めて血管の浮き具合がヤベェ~。腹減ってないのにずっとぐうぐうゆーてる(笑)」

最後には朝6時から待っている記者に「大変ですね~」。自分は翌日フルマラソンを走るのに…。人を笑わせ、元気を与えることが大好き。それは大一番を前にしても、何も変わっていなかった。【上田悠太】