柔道の世界選手権(20日開幕、アゼルバイジャン)に向けた男子日本代表の強化合宿が5日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた。

2連覇を目指す73キロ級世界王者の橋本壮市(27=パーク24)は乱取りで、66キロ世界王者の阿部一二三(21=日体大)に稽古相手を指名。本番2週間前にもかかわらず、激しい組み手争いの中、試合さながらの“世界王者対決”を行った。橋本は「強い選手と練習することで一番試合に近い練習ができる。けがのリスクもあるがやりたかった」と意図を説明。5月に左肩を負傷し、約2カ月間休養したこともあって心身を追い込んだ。

「(遅れを)取り返すのは量しかない。この合宿では量を意識して、休まないようにしてやっている」

この日の乱取りは自由で、本番を逆算して途中に休養を入れる選手が大半の中、橋本は81キロ級代表の藤原崇太郎(20=日体大)らとも積極的に組んで8本全部行った。稽古後のサーキットトレーニングでは、最年長の27歳でありながら最も大声を出して、他選手に活力を与えた。

「練習をやって気持ち良かった。新鮮だった。強豪選手から研究されているかと思うが、その上の研究をして、自分の階級の最先端を切り開きたい」

急ピッチで追い込む中、2連覇への自信をのぞかせた。