日本大学水泳部の上野広治監督(59)は26日、都内で会見を開き、横浜国際プールで行われた日本学生選手権の公式練習日だった6日に、都内の寮で部員同士の暴力行為があったと発表した。大会に向けた準備中に、2年生の男子選手が居眠りしていたこと、当該選手の居眠りの理由が一睡もせずゲームしたことだったことを知った3年生が、怒って暴力をふるったという。

被害を受けた男子部員の母は「23日に加害学生とお母さんが来ていただき、謝罪していただき、受けますということで解決しています」と、加害者との間で和解したことを明らかにした。一方で「でも処分は別なので、監督にお願いしますと言いました。あとは処分が出るのを待って、思うところがあるかないかは分かりません」と、日大水泳部としての処分を見守る考えを示唆した。

上野監督は、加害者の3年生と被害者の2年生の間で、17年5月にも暴力問題が起きていたことを明らかにした上で「2度目の暴力。注意を与えている」と語った。その上で、今回の暴力問題に関する処分について「これ以外の問題についても、学生の方で、まず処分案を出してくる状態で私が決断している」と、部内で問題があった場合は、学生側から出た処分案を自らが精査し、処分内容を決める形になっていると説明した。

その上で、上野監督は5月にも部内でのルール違反があったことを明らかにし「学生から処分が出たことに私も同意した。例えば謹慎となった場合、学生全員のリポートで解除、という指導をしている」とも語った。

今回の暴力問題についても「処分案は出てきている」とした。ただ、日本学生選手権の終了後、部を1度解散し、全員がそろったのが23日、再始動したのが24日で日が浅いとした上で、同監督は「(処分案は加害者2人、被害者1人の)3人に絞って案を作っている。私の腹では決まっている」と自らの案は持ちつつも学生からの処分案を待っていると説明した。

また、この日も午後6時半から学生同士の処分についての徹底をしたという。上野監督は「目指す方向性として(泳ぐのが)速くなりたい状況の中、トラブルが起きない、問題の原因を作らないために、寮生活の問題点、改善点、目指す方向性を全部員に投げかけ、早急にリポート提出を指示した」と学生に指導を徹底していることを強調した。

一方で報道陣からは、部内で23日に解決したにも関わらず、田中英寿理事長、大塚吉兵衛学長をはじめとした、日大本部に報告したのが、25日朝だったことに対して、その理由を問う声も出た。上野監督は「報告が遅れたのは認める。昨日の朝。被害者から報告の必要はないと言われたが、週刊文春の報道があり後手に回った」と報告の遅れは認めた。その上で「学長、理事長にも伝わり、会見までの状況を報告している」とした。【村上幸将】