中地区首位の新潟がチャンピオンシップ(CS)進出に王手をかけた。西地区4位の大阪を92-84で破り、今季10度目の同一カード連勝を果たした。次節の27日、中地区2位川崎戦(アオーレ長岡)で勝つか、負けても他チームの結果次第でチャンピオンシップ(CS)進出が決定する。第4Q、81-79からPFラモント・ハミルトン(34)が3点シュートを決め、ファウルをもらってワンショットのフリースローも成功。4点プレーで引き離し試合を決定づけた。

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倒れ込んだハミルトンにチームメートが駆け寄った。208センチ、124キロの巨体が手を引っ張られて起こされると、少し笑顔を見せた。

第4Q、81-79の残り2分25秒、3点シュートを決めて84-79。さらにショットの瞬間、大阪のPFファイ・パプ・月留(31)のファウルを受けて倒された。ゲットしたフリースローを難なくリングに沈めて5点差をつけた。「圭(PG五十嵐)からタイミングのいいパスがきた」。自信を持って決めた3点シュートはチームを勢いづけた。

新潟のターンオーバーは14個。ミスでリズムに乗り切れず、立ち上がりからリードをなかなか奪えない展開で第4Qに入った。「大阪は(西地区4位の)順位以上に力のあるチーム。その力の前にいろいろなミスを起こしてしまった」とハミルトン。その中でチャンスを逃さなかった。

第4Q、五十嵐の3点シュートで79-77と逆転し、Cダバンテ・ガードナー(27)がフリースローを2本決めて81点。その流れで飛び出した4点プレー。ハミルトンはこの日17得点、フリースローは放った8本すべて成功。前日23日も17得点でフリースローは9本中9本成功していた。「チームを助けるために自分が何をすべきか考えた」。プレーが途切れたときにはチームメートに声かけて次ぎの動きを確認させた。安定したシュート力だけでなく、精神的な支柱にもなった。

庄司和広監督(44)は「自分たちでボール失い、苦しい試合になった」と第4Qでようやく主導権を奪う展開を反省した。一方で「順位をコントロールできる立場にいる。次ぎも丁寧に戦うだけ」。次節川崎戦は勝てば自力でCS進出が決まる。「素晴らしい状況になった。ホームのお客さんの前で試合ができることもアドバンテージ」。ハミルトンが意欲をあらわにするように、新潟が大勝負に出る。【斎藤慎一郎】

 

<CS進出の条件>

新潟が第30節川崎戦で勝てば、各地区上位2チームを除いた12チームの中から勝率1、2位にCS進出権が与えられる「ワイルドカード」の2位以内が決定する。敗れた場合でも、ワイルドカードの2位を争う名古屋Dと三河がそろって敗れれば新潟の進出が決まる。

 

SF上田勇樹(31)がチームに流れを引き寄せる3点シュートを決めた。第4Q、73-75の残り4分28秒、3点シュートを決めて76-75と逆転する。「昨日(23日)からシュートタッチは良かった。ラモントからいいパスがきたので、決めるしかないと思った」。この後、オフィシャルタイムアウトをはさんで新潟が突き放した。「最後になって、やっとうちらしい攻撃ができるようになった」。その呼び水になった1本を喜んだ。

 

PG柏木真介(37)が要所で仕事をした。13得点2スチールの中身は濃い。第3Q、スチールからレイアップを決めて58-61にし、追い上げの流れをつくった。第4Qはたくみな守備で、大阪の攻撃の要、PFエグゼビア・ギブソン(30)のオフェンスファウルを誘い、5ファウルで退場に追い込んだ。「我慢しながら、守備からリズムをつくれた」。次節川崎戦でCS進出が決まる可能性にも「1戦1戦、戦うだけ」と気を引き締め直した。