レスリング女子の全国大会「ジュニアクイーンズカップレスリング選手権」(4月2日、東京・駒沢体育館)の小学生の部++33キロ級で、巻っずクラブの真島好花(こはる、亀田東小4年)が初優勝した。創設13年目の同クラブでは初の全国チャンピオンの誕生になった。「将来の夢」という五輪出場へ、大器が最初の1歩を踏み出した。

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自分より大きな男子選手や年上の選手に組み伏せられても、真島は顔色1つ変えずに対峙(たいじ)する。巻っずクラブでの練習。スパーリングになると、普段の控えめな雰囲気は消えうせる。「得意なのは片足タックル」で、隙を狙っては足に飛び込む。取れなくても、しぶとくチャンスをうかがう。

同クラブの本名栄仁監督(43)は「まじめです。負けん気も強い」と真島の格闘本能を買う。ジュニアクイーンズカップ決勝では、昨年夏の全国少年少女選手権優勝者の斎藤寧彩(ねいろ、青森・三本木小4年=十和田クラブ)に1-0の判定勝ち。過去2回の対戦でいずれもテクニカルフォールで敗れていた相手に競り勝った。「練習してきたことが出せた」。動きながらタックルに入ってポイントを獲得。工夫の成果が出た。本名監督も「考えてやっていた」と成長を認めた。

「レスリング以外のスポーツをやりたいと思ったことはない」と言う。プロレス好きの家族の影響で、いつのまにか格闘技に夢中になっていた。女子プロレス・センダイガールズの代表で、新潟市出身の里村明衣子(39)のファン。5歳のときにレスリングを始めたのも自然の流れだった。

初の全国制覇はもちろん自信になった。「メダルをもらえてうれしかった」。同時にもっと強くなりたいという欲も出てきた。「将来は五輪に出たい」。大目標をはっきりと言葉にできるようになった。【斎藤慎一郎】

◆真島好花(ましま・こはる)2009年(平21)8月7日、新潟市生まれ。5歳でレスリングを始める。亀田東小1年のときに巻っずクラブに加入。148センチ、33キロ。