レスリングの世界選手権(カザフスタン)は19日に第6日を迎え、男女4階級が準決勝まで行われる。

女子では62キロ級に川井友香子(22=至学館大)が出場し、先に東京オリンピック(五輪)切符を手にした57キロ級の姉梨紗子との姉妹での五輪内定に挑む。

2人で東京を目指して階級変更を相談したのは、昨年6月の全日本選抜選手権の前。最善を探り、妹の年齢、骨格を見た姉が62キロ級を勧めてくれた、それからは「筋トレとか量を増やし、ご飯も何回も食べてきた」と肉体改造を地道に続け、昨年大会は2位。さらなる世界でも戦える力を身につけ、川井家の悲願へ向かう。

68キロ級にはリオ五輪金メダルの土性沙羅(24=東新住建)が出陣する。昨年3月の試合後に、脱臼癖のあった左肩の手術を行い、自分で洗髪もできない時期もあった長期間のリハビリをへて復帰。昨年末の全日本選手権、6月の全日本選抜と連勝して、五輪予選の舞台にたどり着いた。組み合わせ抽選の結果、準々決勝で昨年3位のメンサストック(米国)と激突する見込み。国際大会を連勝している強豪で、大一番となりそうだ。

男子は昨年日本勢最年少優勝を果たしたフリースタイル65キロ級の乙黒拓斗(20=山梨学院大)が2連覇に挑む。今年に菌が入った右膝の状態が思うように回復せず、マットから離れる日々が続いた。6月の全日本選抜では決勝で敗北し、慢心を後悔し、レスリングの試合勘を戻そうと必死に練習に励んだ。プレーオフを勝ちきっての2年連続の舞台。若い王者が苦難を越えて、東京行きにかける。

57キロ級には2年ぶりの世界一を狙う高橋侑希(25=ALSOK)が登場する。五輪がかかる世界選手権は15年大会以来2度目。「当時は覚悟が足りなかった」と敗れ、1つの出場枠獲得もできなかった惨敗を経験している。例年との雰囲気の違いも経験したことと、同じてつは踏まない。