“生地”大阪で、大坂がツアー4勝目に王手をかけた。世界4位の大坂なおみ(21=日清食品)が、1日2試合の“ダブルヘッダー”で連勝。

1月の全豪以来、通算6度目の決勝に進んだ。1試合目の準々決勝で過去3戦全敗、同36位のプティンツェワ(カザフスタン)に、2試合目の準決勝で同24位のメルテンス(ベルギー)にともにストレート勝ち。決勝では同41位のパブリュチェンコワ(ロシア)と対戦する。土居美咲(28)は準々決勝で敗れた。

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1月の全豪制覇から約8カ月。2度のコーチ解任や、精神的に不安定になるなど、紆余(うよ)曲折を経て、ついに大坂が再び決勝の舞台に戻ってきた。ダブルヘッダーに連勝し、3試合で1セットも失わずに決勝進出を果たした。今大会は過去2度の準優勝。自身3度目の決勝進出に「三度目の正直になるといいかな」と願った。

過去、2度準優勝した時のプレースタイルとは全く異なる。8月から取り組んでいる球に縦回転をかけ、ネットの高いところを飛ばし、相手のコートに収めるショットが身についてきた。そこに持ち味のパワーが融合し、安定と破壊力を持ち合わせる完全な選手に生まれ変わる過渡期だ。今大会からコーチの代役を務める父フランソワさんの指示で何度も反復練習を行ってきた川真司女子代表コーチは「あのレベルの球を打たれたら、相手は簡単に返せない」と話す。

「大阪で大坂が勝たなくちゃ」と、初戦後に話したとおり、優勝に向けひた走る。