新潟アルビレックスBBは接戦を演じながらもアルバルク東京に70-75で敗れ、連敗。レギュラーシーズンのA東京戦は昨季から5連敗になった。

惜敗の中、SG今村佳太(24)がキャリア自己最多の27得点をマーク。後半だけで7本の3点シュートを成功させるなど気を吐き、リーグ2連覇中の王者を、あと1歩まで追い詰めた。新潟は次節(29日、3月1日)、シーホース三河とアオーレ長岡で対戦する。

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今村の放つ3点シュートに観客が沸いた。キャリアハイになった27得点のうち23点が後半。第4クオーター(Q)は3点シュートを6本放って5本成功。51-61の残り6分41秒からは、3連続で決めて60-64まで追い上げた。

「ある程度フリーだったらキャッチ・アンド・シュートを狙った」と積極的な攻撃で反転攻勢の中心になった。新潟は第3Qで最大13点差をつけられた。そこから第4Qの残り3分52秒では63-64と1点差まで迫った。今村は第4Qだけで17得点。41-69で大敗した前日15日の1戦目、今村は2得点に終わった。この日は相手守備のわずかなずれを逃さずに打った。

ただ、残した数字も白星にはつながらない。第4Q、6本目の3点シュートと7本目の成功まで4分以上時間がかかった。「相手がシュートをつぶしにきた。ビッグマンも積極的に手を伸ばしていた」。得点源の自分にA東京の注意が向いた。「要所での勝負強さがA東京にはあった」。個人の手応えではなく、悔しさが気持ちのすべてを支配した。

庄司和広監督(45)は「1戦目(15日)からステップアップしてくれた」と選手の奮闘をねぎらった。同時に「細かいプレーで差が出た」。チームの完成度の違いを連敗が象徴する。地区2位でのチャンピオンシップ(CS)進出と、リーグ下位4チームのB1残留プレーオフの間を漂いながら、残り21試合になった。「CSの可能性はまだある。1つずつ勝ちを重ねていくしかない」と言った今村は、「もっと大事な場面でシュートを任せてもらえるようになる」と使命を感じていた。【斎藤慎一郎】

○…PG五十嵐圭(39)は6得点ながら6アシストを記録。後半に4アシストし、追い上げの流れを作った。もっとも勝利をつかめなかったことに「リードしていれば流れが変わったかもしれないが、そこで決め切れない」と表情は硬い。次節(29日、3月1日)まで約2週間空く。「個人的には外国人選手とのコミュニケーションを大切にしたい」と巻き返しを誓った。