競泳男子の瀬戸大也(26=ANA)が9月30日、ANAとの所属契約を解除された。同23日に「デイリー新潮」で女性問題が報じられて騒動に発展。ANA側が解除を申し入れて、21年3月の契約満了を待たずに双方が合意に達した。また今年1月に決まっていた競泳日本代表主将の辞退、さらに日本オリンピック委員会(JOC)の「シンボルアスリート」の解除も申し入れた。

   ◇   ◇   ◇

瀬戸が、17年4月から4年間の所属契約を結んでいたANAに契約を解除された。女性問題が報じられ、ANA側が申し入れた。ANA広報部は「当社はこれまで瀬戸選手のアスリートとしての努力する姿勢をサポートしてまいりましたが、今回の事案は当社が期待するイメージにふさわしくなく契約を解除いたしました」と説明。所属契約はアスリートが結ぶスポンサー契約の中で最も大きな柱。今後の競技活動に金銭面で影響が出る可能性がある。

瀬戸は昨夏世界選手権で個人メドレー2冠に輝き、東京五輪代表に内定。しかし9月23日に「デイリー新潮」で優佳夫人以外の女性と都内のホテルで約1時間半過ごしたことが報じられた。1日発売の「週刊新潮」でも複数の女性との不適切な関係が報じられる。

事案を受けて、ANAは9月26日に所属アスリートの欄から瀬戸の名前を削除した。また味の素、P&GのCM動画も閲覧できない状態。P&G広報部はこの日「今の段階でお答えできることはありません」とした。

瀬戸はこの日午後、濃色のスーツ姿で都内の日本水連を訪れて「大変申し訳ございませんでした。信頼を回復できるよう頑張ってまいりますので変わらぬご支援をお願いします」として競泳日本代表主将の辞退を申し出た。日本水連関係者は「本人の希望なのでこれから審議します」と説明。6日の常務理事会で、了承される可能性が高い。

また日本水連を通じJOCに「五輪の顔」といえるシンボルアスリートの解除も申し入れ、了承された。

瀬戸は日本短水路選手権(17、18日)にエントリーしているが、大会出場には所属チームの日本水連への登録が必要。新たな所属を決めるには時間が迫っており、大会出場は困難な見通し。その次に出場を予定している国際リーグ(10~11月、ブダペスト)への参加については検討中という。

瀬戸は先月24日にマネジメント会社を通じ「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。この日も同会社がシンボルアスリートと競泳代表の辞退を発表して「瀬戸大也を応援してくださっている皆様、支えていただいている企業の皆様、関係者の皆様にあらためて深くおわび申し上げます」とした。

◆瀬戸大也(せと・だいや)1994年(平6)5月24日、埼玉県生まれ。埼玉栄高、早大をへて17年4月にANAと所属契約。世界選手権は金4、銀1、銅2。五輪は16年リオデジャネイロ大会で銅1。昨夏の世界選手権個人メドレー2冠によって、東京五輪代表に内定している。家族は妻と2女。174センチ、75キロ。