女子400メートル(視覚障害T13)でアジア記録保持者の佐々木真菜(21=東邦銀行)が、1分1秒48で金メダルを獲得した。

スタートから飛び出すと、後半も失速することなく独走でゴールした。もっとも自身の持つアジア記録59秒02に2秒以上遅れて「58秒台を狙って世界ランキングを上げられるよう練習も積んできて、58秒台で金メダルが目標だったのでタイムは納得いかない。金メダルは自信になったけど」と、手放しで喜んではいなかった。

先天性の弱視でレーンの白線を頼りにペース配分しながら走る。「スタートから50メートルくらいは加速して、バックストレートはスピードを維持したまま走り、残りの150メートルはしっかり足が動くのでそのままフィニッシュしようと」。

このレースも想定通りの走りだったが、誤算はトラックにあった。「柔らかいタータンということもあって、足が後ろに流れてしまって、その分、スピードをロスしてしまった」。

今季はアジア記録更新にアジア大会金メダルと収穫の多い1年だった。次の目標は来年5月の中国オープンになる。

「東京パラリンピックの選考に残れるようなタイムを出さなくてはいけないと思っています」

今季の輝かしい実績も、2年後の夢舞台への通過点にすぎない。