日本が連勝で大会3連覇へ好スタートを切った。

世界ランキング4位の日本は初戦でインドネシアを10-0と圧倒。開始17秒に最初の攻撃で萩原紀佳(18)がゴールを決めて先制すると、同30秒には若杉遥(24)が追加点。その後も立て続けにゴールを決め、前半6分までに10点差をつけて世界ランキング外の相手にコールド勝ちした。

世界22位のタイとの2試合目は苦戦。1-1で迎えた後半からベンチスタートだった若杉がコートに入り、2ゴールを決めて3-2で振り切った。

東京パラリンピックに開催国枠で出場が決まっている日本は、12年ロンドン大会以来2大会ぶりの金メダルに照準を合わせている。今大会は6人の代表選考にも大きなウエートを占めており、市川喬一監督(43)は「大会後に4人を選出する方向です」と明言。具体的な基準として大会得点王を獲得した選手を代表入りさせる方針を打ち出している。2試合で若杉が9点を量産し、萩原が2点、小宮正江(44)と天摩由貴(29)が1点をマークした。

市川監督はインドネシア戦で「力の差があるので若杉が点を取れるのは分かっていた。萩原にも経験を積ませたかった」とベテランの小宮、エース格の欠端瑛子(26)をベンチに置いた。タイ戦では逆にその2人を先発起用するなど、代表選考を意識した采配で第1日を戦った。タイ戦については「このチームは守備が大事。簡単に失点しては話しにならない」と3得点よりも2失点を課題に挙げた。代表生き残りへチーム内競争に火をつけながら、日本のV3への戦いが始まった。

大会は出場6チームが総当たりの1次リーグを戦い、上位4チームが準決勝へ進出する。日本は7日に世界2位の中国と対戦する。

◆ゴールボール 視覚障がい者による対戦型チームスポーツ。1チーム3人でコートはバレーボールと同じ18×9メートル。両サイドにコート幅と同じゴール(高さ1・3メートル)がある。攻撃側は鈴の入ったボールを相手ゴールに投球し、守備側は全身を使ってセービングする。選手はボールの鈴の音や相手の足音、床のわずかな振動などを頼りに、攻撃と守備を攻守を交互に入れ替えて得点を競う。試合は前後半12分の計24分、ハーフタイムは3分。選手は視力の程度に関係なくアイシェード(目隠し)を装着してプレーする。