5日のリオデジャネイロ五輪開会式で世界的に知られるボサノバの名曲「イパネマの娘」が演奏された際、作曲者の故アントニオ・カルロス・ジョビン氏だけが写真で紹介されたとして、作詞した故ビニシウス・モラエス氏の遺族が大会組織委員会を相手取り提訴を検討していることが分かった。地元メディアが8日までに伝えた。

 開会式ではジョビン氏の孫の男性がピアノを弾いて熱唱。歌に合わせてブラジル人スーパーモデル、ジゼル・ブンチェンさん(36)が引退前最後のランウェーウオークを見せ、注目を集めた。ジョビン氏はセットに顔写真が投影されたが、モラエス氏の写真は登場しなかった。

 五輪とパラリンピックの大会マスコット「ビニシウス」と「トム(アントニオの愛称)」は2人の名前に由来。イパネマの娘はリオデジャネイロ南部イパネマ海岸近くのバーにいた2人の前を10代後半の美少女が通ったのがきっかけで作られ、1962年8月に発表された。