日本選手団は若手とベテランが融合し、史上最多のメダル41個を獲得した。

 金メダルは目標の14個に届かなかったが、3大会ぶりの2桁となる12個。競泳、体操、柔道などの看板競技がほぼ期待通りに活躍した。総数のほぼ半分に当たる21個を「銅」が占め、金メダル20~33個を掲げる東京五輪の目標達成には全体の底上げが必要になる。

 競泳は男子400メートル個人メドレーで萩野公介(東洋大)が日本の金第1号。同じ22歳の瀬戸大也(JSS毛呂山)は3位に入り、軸になる二枚看板の存在感がさらに高まったのは頼もしい。同200メートルバタフライで銀メダルの坂井聖人(早大)ら、さらなる躍進が期待される若手も出てきた。

 お家芸の柔道は復活の一歩を記した。特に男子は井上康生監督が規律を重んじながら個性を伸ばす指導法と各選手に競争意識を植え付ける策が実り、前回ゼロだった金を73キロ級の大野将平(旭化成)、90キロ級のベイカー茉秋(東海大)が奪還。今回のメンバーが東京五輪でも主力になるとみられる。70キロ級を田知本遥(ALSOK)が制した女子と合わせ、12階級でメダルを獲得しており、4年後は金メダルの上積みを目指す。

 レスリングでは女王が明暗を分けた。58キロ級の伊調馨(ALSOK)は女子個人種目で五輪史上初の4連覇。53キロ級の吉田沙保里は決勝で敗れ、連覇が3で途切れた。一方で22歳の登坂絵莉(東新住建)、ともに21歳の川井梨紗子、土性沙羅(ともに至学館大)が頂点に立ち、順調な世代交代を感じさせた。

 27歳の内村航平(コナミスポーツ)が率いた体操男子は3大会ぶりに団体総合優勝。内村は個人総合では44年ぶりの2連覇を達成した。24日に20歳となる白井健三(日体大)は種目別の跳馬で3位に入る意地を示した。今後は内村に依存する状況をどう改めていくかがポイントになる。

 バドミントンではジュニア世代からの長期的な強化が功を奏し、女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)がこの競技で日本勢初の金メダルに輝いた。今回、期待されながらメダルに届かなかったフェンシング、アーチェリーを含め、成功のノウハウを競技間でいかに共有していくかも鍵となる。