逆転の侍ジャパンが「福島の奇跡」を起こした。3大会ぶりに五輪競技に復活し、迎えた開幕戦の1次リーグ・ドミニカ共和国戦(あづま球場)。プロが参加した00年シドニー五輪以降、1勝2敗と鬼門とする初戦で大苦戦を喫した。継投失敗などで9回裏で2点ビハインドだったが、1死から執念の反撃を開始。同点セーフティースクイズを含めた、怒濤(どとう)の猛攻から、最後は坂本勇人内野手(32=巨人)が逆転サヨナラ勝ちを決めた。脈々と受け継がれる伝統の逆転劇を復興の地、福島で体現し、悲願の金メダルへ白星発進した。

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【侍ジャパンの逆転劇】

◆13年WBC・ブラジル戦 山本浩二ジャパンは1次ラウンド初戦で格下相手にまさかの苦戦。1点を追う8回表、井端の同点タイムリー、右膝痛でスタメンを外れていた代打阿部の決勝打で辛くも逆転。

◆13年WBC・台湾戦 2次ラウンド初戦は8回表に2点ビハインドを追いつくも8回裏に1点勝ち越される。9回表2死一塁から鳥谷が二盗を決め、井端が起死回生の同点打。10回表に中田が決勝犠飛を放った。

◆19年プレミア12・ベネズエラ戦 1次ラウンド初戦は先制点を奪われ、6回にも再逆転を許す展開に。2点を追う8回裏、稲葉監督が指笛を鳴らして1番坂本への代打山田をコールするなど死に物狂いの采配を見せ、一挙6得点で逆転。

◆19年プレミア12・韓国戦 宿敵との決勝戦は1回表に3点先制されながら、2点を追う2回裏に山田が逆転3ラン。一気に大勢をひっくり返し、主要大会10年ぶりの世界一に輝いた。