世界ランキング10位の日本が同5位のフランスに87-71で快勝し、銀メダル以上を確定させた。

日本にとって初メダルとなる。司令塔の町田瑠唯(28=富士通)が、五輪史上最多を更新する18アシストを記録。赤穂ひまわり(22=デンソー)がチーム最多17得点を挙げた。決勝は8日午前11時半から、世界ランキングトップで五連7連覇を目指す米国と対戦する。

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手に汗握る大逆転を決めた準々決勝とは異なり、最後は余裕さえ漂うような快勝だった。初めて臨んだ準決勝でも、持ち味の走り続けるバスケを発揮して相手を上回った。主将の高田は、「言葉にならないぐらいうれしい」。とびっきりの笑みがこぼれた。

第1クオーター(Q)ではリードを許したが、守備とリバウンドを立て直して第2Qに逆転。後半さらに突き放した。強豪フランスから、1次リーグ初戦に続く白星。最後は主力メンバーを温存するほどセーフティーリードを広げた。

司令塔の町田がこの日もラストパスを次々と通した。五輪史上最多を塗り替える18アシストをマークし、「数字にそこまでのこだわりはなかったが、歴史に残すことができてうれしい。みんなが走ってくれている。それを無駄にしたくない思いでパスを出している」。1次リーグ突破が掛かった2日のナイジェリア戦でも、その時点で五輪記録タイの15アシストを挙げていた。わずか4日後、自らの記録を大きく塗り替えた。

無観客の会場には、熱血指揮官が日本語で飛ばすゲキが響き続けた。米国出身のホーバス監督は90年に来日し、日本リーグで何度も得点王に輝いた。NBAでプレーした1年間を挟み、来日して約30年。猛勉強の成果もあり、流ちょうな日本語を操る。

決勝で対戦するのは五輪7連覇を目指す強豪米国。1次リーグでは敗れ、今大会唯一の黒星を喫した相手に、大一番でのリベンジを期す。17年に日本代表監督に就任したホーバス監督は、「決勝でアメリカを倒して金メダルを取る」と宣言。多くの人にとって現実感を持って受け止められていなかったその言葉を、何度も繰り返した。エース渡嘉敷が大けがで離脱し、大会直前に戦力ダウンを余儀なくされたあとも、変わらず口にし続けた。

準決勝を終えた指揮官は、あらためて言う。「僕は心から金メダルを取れると思っている。信じてないなら優勝できない、大きいチームに勝てない。信じてないなら何も出来ない」。その信念が実るまで、あと1勝だ。【奥岡幹浩、三須一紀】

○…赤穂が攻守で勝利に貢献した。チーム最多の17得点、7リバウンド。町田から受けたパスを次々と決め「積極的に攻めようと思っていたのが数字につながった」。リバウンドは今大会全試合でチーム最多。ゴール下で相手の連続攻撃を阻止し「相手も大きいので、カギになると思っていた。センターが体張ってくれている分、しっかり取らないといけない」と話した。