キングが「スポットコーチ」になった。体操男子日本代表が会場の有明体操競技場で初の公式練習に参加。「撮ってあげるよ」と団体メンバー4人の後輩に声をかけたのは内村航平(32=ジョイカル)だった。最終種目の跳馬で、スマホで撮影し、実際に跳躍を終えた選手と会話して、身ぶり手ぶりで助言をした。

「暇だったから」と照れた。専念する鉄棒は2種目目で終え、時間はあったが、後輩達への優しさだろう。「大したことを言ってない」と謙遜したが、18歳の北園は「踏み切りが合ってないなと。航平さんもずっとやっていた技なので」、跳馬が得意の谷川も「入りの足のこと。分かってくれている」と感謝した。会場では、普段の練習場の感覚とズレが起きるが常。ずばりな指摘で修正を助けた。

自身は高揚感などもなく、「普通です」と平静そのもの。4度目の五輪の経験値が余裕を生む。青を基調にした会場には「さすが五輪会場だな。美しいな」と好印象も抱き、24日の予選を待つ。

 

○…2連覇を狙う団体メンバーは4人全員が初出場となる。19歳でエースを担う橋本は「落ち着いてケガなく、自分のペースでできた」と感触を確かめた。安定感が武器の萱はミスは出たが、表情は明るい。IDカードのストラップには他選手と交換した各国のバッジが付けられ、「五輪楽しんでます」と笑顔をみせた。