初出場の濱田尚里(30=自衛隊)が準決勝で21年の世界女王アナマリア・ワーグナー(ドイツ)に一本勝ちし決勝進出した。

場外際で腕を取ると、1分23秒、腕ひしぎ十字固めで一本を奪った。同階級でのメダルは2004年アテネ五輪の阿武教子以来、4大会ぶり。

中学時代は無名だったが、鹿児島南高時代に寝技を習得して才能が開花。山梨学院大4年時には柔道の幅を広げるためにロシア発祥の格闘技「サンボ」に挑戦した。サンボの14年世界選手権で優勝するほどの実力を身に付けた。

18年に柔道の世界選手権を制して、東京五輪を本格的に目指すようになった。近年は、警戒される寝技をいかすために背負い投げなどの立ち技を猛特訓。進化した「寝技の女王」が、初の夢舞台で頂点に立った。

 

◆濱田尚里(はまだ・しょうり)1990年(平2)9月25日、鹿児島県生まれ。10歳で柔道を始める。鹿児島南高-山梨学院大-自衛隊。18年世界選手権優勝。19年世界選手権準優勝。右組み。得意技は寝技、内股。世界ランキング2位。好きな食べ物はトマト。趣味はコーヒーと旅行。好きなタレントはゆりやんレトリィバァ。168センチ。