東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は22日、開閉会式の制作チームを事実上のトップとして束ねていた元お笑いコンビ、ラーメンズの演出家、小林賢太郎氏(48)を解任した。組織委の橋本聖子会長(56)が22日、メインプレスセンター(MPC)で行った五輪開幕前日会見で発表した。

橋本氏は「開幕が迫る中、このような事態となり、ご迷惑、ご心配をおかけしたことを深くおわびします」と謝罪した。

その後、橋本氏は小林氏のコメントを読み上げた。

「確かにご指摘の通り、98年に若手芸人を紹介するソフトに、私が書いたコントのセリフに、極めて不謹慎な表現が含まれていた。当時のことを思い返しましたが、浅はかに人の気を引こうとしていました。不快に思われた方におわびします。本当申し訳ありませんでした」などと謝罪した。

橋本氏は「明日の開会式をどのように行うか検討中です。早急に結論を出したい」と、開会式演出は白紙状態だとした。

問題になったのは98年のコントとみられ、人のかたちに切った紙が多数ある状況の説明で「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」と表現していた。「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)」をネタにしていたこととSNS上などで拡散され、米ロサンゼルスに本部を置くユダヤ人の人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターも21日(日本時間22日)に抗議声明を出していた。