国立競技場内での聖火リレーに最初に登場した柔道の野村忠宏氏と、バトンを受けた野球の松井秀喜氏が、そろって安堵(あんど)の表情を浮かべ、開会式終了後のテレビ番組に生出演した。

レスリングの吉田沙保里さんとともに聖火をつないだ野村氏は「思い描いていた以上に感動した。短い時間だったけど、一生の財産になるような素晴らしい経験をさせていただいた」と、晴れやかな表情で話した。

長嶋茂雄氏と王貞治氏とともに、野球の国民栄誉賞トリオで臨んだ松井氏は「とにかく無事に長嶋さんをエスコートすることに集中した」と、師弟関係にある長嶋氏の背中を、終始支えながらの大役を振り返った。さらに「たくさんの長嶋さんのファンの方、王さんのファンの方に喜んでいただけたのなら、私もうれしいです」と続けた。

2人は同い年で、小学生のころには松井氏も、野球と並行して柔道をしていた。松井氏が進学した中学には柔道部がなかったこともあり、野球一筋となったが、野村氏は「もしかしたら一緒にオリンピックに出ていたかもしれない」と話したが、松井氏は苦笑いしながら、謙遜していた。