東京パラリンピック開会式(24日)の制作・演出チームが公表された。

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開会式の演出トップのディレクター、ウォーリー木下さん(49)は一般的な知名度は高くないが、演劇界ではここ数年で手掛ける舞台が増えて話題を呼ぶ「旬」な演出家だ。

神戸大在学中に演劇活動を始めた。俳優の身体性を重視した演出が特徴で、30代で言葉を使わずに音楽や映像を取り入れたノンバーバルパフォーマンス集団を設立し、英国やドイツなど海外の演劇フェスティバルに招かれて高い評価を得た。従来の演劇的な演出にとらわれない、自由な発想による変幻自在な演出で、見る人が面白がったり、楽しんだりできる舞台を数多く生んできた。2・5次元舞台ではプロジェクション・マッピングを駆使し、高校バレーボール部を舞台に試合をリアルに再現して人気を呼んだ「ハイキュー!!」や、上海公演も行った乃木坂版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」などを手掛けている。18年にはパラリンピックのセレモニー参加を目指す「大阪障がい者舞台芸術オープンカレッジ」で総合演出を担当している。

パラリンピック開会式の準備と並行しながら、7・8月にふぉ~ゆ~公演「SHОW BOY」、8月にはSixTОNESジェシーが主演する舞台「スタンディングオベーション」を演出している。ちなみに同じ事務所に所属する演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(58)がパラリンピック開会式の演出を予定していたが、昨年12月に退任しており、同じ事務所の先輩から後輩へのバトンタッチとなった。【林尚之】