東京パラリンピック男子400メートル自由形(視覚障害S11)は26日、決勝が行われ、元ブラインドダンス日本王者で競泳選手の富田宇宙(32=日体大大学院)が銀メダルを獲得した。富田の活躍にブラインドダンス界からも喜びの声が上がった。

富田は3歳から水泳を始め、高校2年の時に失明に至る難病の網膜色素変性症が判明した。高校卒業と同時に水泳を一時離れた。視力が衰えていく中、大学入学以降は競技ダンスに熱中した。障がいの進行により第一線からは退いたが、16、17年の全日本ブラインドダンス選手権大会のチャチャチャとルンバで連覇。18年の同選手権では、日本テレビ系「24時間テレビ41」の企画でモデル佐藤栞里とのペアで優勝し、ルンバでは3連覇した実力を持つ。

ダンサーとしての富田を知る日本ダンス議会ブラインドダンス委員会の津田雅彦委員長は、富田の活躍に「彼の頑張りが結果に表れてうれしい」と喜んだ。パラ競泳との両立に励んでいた富田を振り返り「『筋肉をつけると軽やかに踊れない』とぼやいていました」と笑って話した。

富田は東京五輪閉会式翌日の9日、自身のツイッターで白杖をステッキに見立てたサンバを披露。自分のパフォーマンスを明るく発信している。津田さんは「彼は当時から見ている人を引き付ける踊りをしていました。自己満足ではなく、観客も楽しんでもらいたいというサービス精神にあふれているのだと思います」と話した。【沢田直人】