女子57キロ級3位決定戦で広瀬順子(30=SMBC日興証券)が、ゴールデンスコア方式の延長戦の末、ジェイネプ・ジェリク(トルコ)に敗れ、16年リオデジャネイロ五輪に続く2大会連続の銅メダルを逃した。

過去3戦全敗だった相手に技ありで先手をとったが、警戒していた足技を食らった。最後も足技に屈し、「3回ともに投げられて負けていた。5年間、あの技をかわす練習をやってきましたが、1回目を防いだと思ったら2回目がきて、かわしきれなかった。メダルにつながらなくて悔しい」。試合前には相手が左手首を痛めていることを伝えられ、「チャンスがあると思っていたんですけれど…」と大粒の汗を拭った。

高校時代は全国総体出場などで活躍したが、花園大1年時に膠原(こうげん)病の影響により視力が低下。一時は競技から離れた時期もあったが、12年にパラ柔道で復帰した。

今大会は2大会連続で夫の広瀬悠(はるか、42)とそろって出場。29日に90キロ級で出場するコーチでもある夫との「夫婦ダブルメダル」実現はならなかった。「自分がコロナで1年延期されて気持ちが切れそうになっても、悠さんがそばにいてくれたから明るい柔道が出来るようになった。悠さんが練習している姿を見てきているので、悔いのない試合をしてほしい」。メダル獲得は、夫に託した。