女子100メートル(視覚障害T11)で極めて珍しい事が発生した。予選には13人が出場したにも関わらず、銅メダリスト不在という結果になった。

どういうわけか-。決勝は4人で争われた。2組あった準決勝で組1着と2着以下のタイム順2人の計4人。その運命の決勝。何とブラジル勢の2人が失格となり、順位がつかなかった。

まずスタート直後。ジェルザ・ジェベルドスサントス(39)に、信じられない悲劇が起こった。伴走するガイドランナーとをつなぐロープが途切れた。ロープが壊れるのは失格。ミックスゾーンでも涙が止まらず、取材に応じることができなかった。

そして、普通に走りきれば、銅メダルが確定していたタリタビトリア・シンプリシオダシウバ(24)も失格となった。伴走者はフィニッシュ前に選手を離してはならないという規定に違反した。

レースから45分後の表彰式。そこにいたのは、12秒05で金メダルに輝いたリンダパトリシア・ペレスロペス(23=ベネズエラ)、12秒15で銀メダルだった劉翠青(29=中国)とその伴走者の計4人だけ。出場人数が少ない場合には見られるが、13人が出場したのにまさかの銅メダリストは不在という形になった。この女子100メートル(視覚障害T11)には日本の高田千明(36=ほけんの窓口グループ)も出場し、予選4組で13秒66(向かい風1・1メートル)の3着で敗れていた。