地元千葉県一宮市の海で育った大原洋人(24)の初の五輪が終わった。準々決勝で19年プロ最高峰チャンピオンシップツアー(CT)年間王者のイタロ・フェヘイラ(ブラジル)に敗れた。悔しさが残る敗戦となったが、最後のライディングで格上の相手に一矢報いた。

1本目から9・73点(10点満点)の技を見せ優位に進めたイタロは、トータル16・30点。トップサーファーのパフォーマンスは想定内だった。大原は「イタロに勝つためにはトータルで15点(2本合計20点満点)ぐらい出さないといけないと予想していて、少なくとも7点、8点は出さないといけなかった」。

だが、なかなか思うような波に乗れない。試合時間だけが刻々と過ぎていく。

それでも、あきらめなかった。残り30秒を切ったところで見せた7本目のライディング。持ち味の高いエアで連続技に成功し、この日の自身最高点(6・73点)をマークした。トータル11・90点と一歩及ばなかったが、「あのまま終わっていたら自分自身もコテンパにやられてて、ふがいない結果というかんじだった。少しでも自分のサーフィンを見せられたらなと乗りました」。次につながる敗戦となった。

地元開催の五輪で、無観客ながらも周囲の期待の大きさを感じた大会だった。メダルは取れなかったが、今後について「イタロとかにもっともっと近づいて、また次のオリンピックを目指したい」と力強く抱負を語った。【平山連】