女子シンクロ高飛び込みで、板橋美波(21)、荒井祭里(20=ともにJSS宝塚)組の手から日本勢初メダルがこぼれ落ちた。メダル圏内の3位で迎えた最終5本目。体が動きすぎ回転オーバー。入水が乱れて6位になり2人で泣いた。1920年の五輪初参戦から100年続く初メダルの夢は、わずか2秒で消えた。

板橋は最近10日間は緊張から食べては吐く症状を繰り返した。リオ五輪から5年間は網膜剥離で目の手術、骨折した左足にはチタン製プレートが入っている。やっと立った東京の舞台だが、現実は残酷だった。「一瞬の迷いが最後の1本に出た。すごく悔しいけど、すっきりもしている。何回でも目指したくなるのが五輪なんだな」と涙目で笑った。

荒井は個人の高飛び込みを残す。「今はまだ考えられないが、失敗と成功を見返してまず練習につなげたい」とした。【益田一弘】