水谷隼(32=木下グループ)、伊藤美誠(20=スターツ)組の日本が、4-1で林イン儒、鄭怡静組(台湾)を破り、決勝進出を決めた。水谷、伊藤ともに、2大会連続の五輪表彰台となる、銀メダル以上を確定させた。

第1ゲームを接戦の末に制して勢いに乗った。5-7と2点ビハインドから4連続得点。逆転の8点目は水谷、突き放す9点目は伊藤が、ともにフォアの強打で決めて流れを引き寄せた。1度は9-9と追いつかれたが、10点目は相手のミスを誘い、11点目は伊藤がバックハンドからコースを狙ったレシーブを決め、幸先よく第1ゲームを奪った。

第2ゲームは6-11で落としたが、競り合ったら負けなかった。一進一退の展開となった第3ゲーム。9-9からのラリーは、互いに台から離れていく激しい打ち合いとなったが、伊藤が一歩踏み込み、フォアで仕留めた。水谷が相手の男子選手の強打をはね返し、伊藤へチャンスメーク。決勝に向けて、混合ダブルスの完成形が近づいていることをうかがわせる戦いぶりを披露し、続くゲームポイントも相手のミスを誘って取った。

勢いに乗って第4ゲームは11-6と一方的に取り、3-1と王手をかけた。第5ゲーム。出だしから2点のビハインドを背負ったが、試合を重ねるごとにコンビネーションにさえを見せてきた2人には、問題にはならなかった。4連続得点であっさり逆転すると、相手はたまらずタイムアウト。リードしたまま6-10で迎えたマッチポイント。伊藤のバックハンドで勝利を決めた。

前回大会の16年リオ五輪で、水谷は男子団体戦で銀、個人戦のシングルスで銅と、2つのメダルを獲得した。伊藤はリオ五輪で女子団体戦で銅メダルを獲得。水谷は2度目、伊藤は初めて五輪の決勝進出となった。

2人は同じ静岡・磐田市の出身。水谷の父信雄さんが代表を務める豊田町卓球スポーツ少年団に伊藤が4歳の時に入団した。

水谷は既に青森山田高に卓球留学していたが、帰郷のたびに家族ぐるみで伊藤家で遊んだ。リビングにあった卓球台で深夜まで練習に付き合ったり、鬼ごっこやプロレスごっこをして遊んだ。普段の試合や会見などでは奔放な伊藤がリードし、水谷が1歩下がる関係性だが、この日は違った。

水谷が五輪4大会連続出場の経験を存分に発揮。死闘だった準々決勝のドイツ戦から前面に出て、伊藤を支えた。

水谷はこれで3大会連続、伊藤は2大会連続のメダルを決めた。伊藤は16年リオデジャネイロ五輪では女子団体の銅が最高だったため、この銀以上が最高成績となった。

26日はいよいよ世界王者の許■、劉詩〓組とペアと対戦。同ペアには0勝4敗と1度も勝利はないが、東京の舞台で借りを返し、日本卓球界初の五輪金メダルを狙う。

※■は日ヘンに斤、〓は雨カンムリに文の旧字体