卓球の団体が1日から始まる。16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)では男子が銀、女子が銅メダルを獲得。12年ロンドン五輪でも女子が日本卓球界初のメダルとして銀メダルを獲得した。男女ともに中国を倒しての金メダルが目標。3大会連続のメダルへ向けて団体の見どころを紹介する。

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男子団体はエース張本智和(18=木下グループ)をシングルスで「2点使い」し、ダブルスに水谷隼(32=木下グループ)丹羽孝希(26=スヴェンソン)を組ませる布陣が予想される。

女子と違い男子はダブルスが左利き同士。卓球のダブルスは通常、右利きと左利きで組む。その方が交互に打つ時に、2人がスムーズに動けるからだ。半面「左左」は動きづらく不利となる。

さらにダブルスのサーブは対角線に打つ決まりがあり「左左」の場合は自身のバックハンドでレシーブすることが多くなる。そこが「右右」のペアよりも難しく「左左」が最も不利といえよう。

しかし、男子チームはエース張本をシングルスで2度起用するために「左左」のダブルスを選択することが濃厚。さらに水谷、丹羽は練習を重ねるごとに動きが向上しているという。倉嶋洋介監督は「必殺技も検討している」と話している。

一方の女子はエース伊藤美誠(20=スターツ)をシングルスに2度起用し、左利きの石川佳純(28=全農)と右利きの平野美宇(21=日本生命)がダブルスを組むことが確定的だ。

リオ五輪までは3試合目だったダブルスが、東京五輪から初戦に組み込まれた。当然、先制点を取ったチームは勢いに乗りやすいため、ダブルスの重要性はこれまで以上に増す。【三須一紀】

◆「ABC」「XYZ」方式 五輪団体の選手のオーダーはABCXYZ方式が採用されている。第1試合(ダブルス)ではBC組とYZ組が対戦。AとXがシングルスに2度出場するエース選手で、第2試合(シングルス<1>)でエース同士が必ず対戦する。ABC側かXYZ側になるかは、コイントスで決まる。後者になるとエースの2度目の試合が最後の5試合目となるため、エース登場前に敗戦が決まってしまう可能性がある。よってコイントスではABC側を取りたいという思惑も生じる。コイントスの結果次第ではオーダーの組み替えを検討する可能性もあり、駆け引きに注目するとより楽しめる。

◆東京五輪の卓球団体 3人でチームを構成し、3勝先取。16チームで争われ、日本は女子が第2シード、男子が第3シード。ともに最大のライバルで第1シードの中国とは決勝まで当たらない。中国は、男子が今大会シングルス優勝の馬竜(世界ランキング3位)、準優勝の樊振東(1位)、許■(2位)の3人。女子は今大会シングルス優勝の陳夢(1位)、準優勝の孫穎莎(3位)、劉詩□(7位)の3人。団体は08年北京大会から男女ダブルスに替わり、五輪競技となった。

※■は日ヘンに斤

※□は雨かんむりに文