東京オリンピックのテニス競技を統括する国際テニス連盟(ITF)は28日、猛暑を考慮し、29日の第1試合の開始時間を、当初予定されていた午前11時から午後3時に変更すると発表した。

テニスは、選手たちから、昼間の高温多湿のプレーに、不満が続出していた。この日も、午前11時から3回戦を戦った世界2位のメドベージェフ(ROC)は、試合中に暑さと湿気で苦悶(くもん)の表情を浮かべていた。主審がプレー続行かどうかを訪ねると、「死にそうだ。死んだら責任を取れるのか」と怒りを審判にぶつけた。

また、この日、午後1時5分に始まった女子シングルス準々決勝で、世界42位のボンドロウソバ(チェコ)と対戦した同29位のバドサ(スペイン)は、第1セットを落とした時点で、熱中症のような症状で動けなくなり、車いすでコートから運び出された。

24日に開幕した時点から、メドベージェフらはスタート時間の変更を申し出ており、世界王者ジョコビッチ(セルビア)も同意していた。ITFは、選手の健康を守ることを最優先に考えたという。

国際オリンピック委員会(IOC)、組織委員会、オリンピック放送局、選手、審判、医療専門家らと協議の結果、この決定を下した。また、5種目の残り選手の数や組み合わせを考え、ようやく開始時間を遅らせることが可能になったとした。