初の欧州視察に出ていた日本代表の森保一監督(50)が3日、千葉・成田空港に帰国した。

都内に戻った後、報道陣の取材に応じ、先月24日から10日間の活動内容を報告。まずベルギーに向かって同国1部シントトロイデン対アンデルレヒト戦を観戦したのを皮切りに、ドイツでは欧州CL、デュッセルドルフ、ブレーメン、ハノーバーの試合会場を回ったと説明した。

「できるだけ多くの選手に会いたかったし、各クラブの方々とも話ができた。フェイス・トゥ・フェイスはやはり大切。もっと早くに欧州へ行っておけば良かったな」。現地でシントトロイデンMF遠藤、FW鎌田、DF冨安、デュッセルドルフFW宇佐美、ブレーメンFW大迫、ハノーバーMF原口、FW浅野と対面したことを明かした一方、それ以上に「クラブの方と直接コミュニケーションが取れたことは大きい。いい情報交換ができた。お互いに、濃い活動につながる今後の約束もできた」と、充実した活動になったことを笑顔に込めた。

注目されていた、ドルトムントMF香川との再会は練習場で実現したという。現在、公式戦12試合連続ベンチ外と苦しんでいるが「練習で存在感はあったし、元気そうだった。出られないことで、いろんな思いはあるんだろうけど、集中して練習できている様子だった」。欧州に自ら赴いたからこそできる現状把握に、納得していた。

1部リーグだけでなく「日本の発展のためには育成が大切」と、欧州連盟主催のユースリーグの視察も行った。欧州CLの前座として実施されたBミュンヘン対ベンフィカ(ポルトガル)とドルトムント対クラブ・ブルージュ(ベルギー)の試合を見て「激しく、厳しく、インテンシティ(プレー強度)の高い試合をしていた。日本もレベルアップしているけど、世界もレベルアップしている。自分も日本国内にいる1人の指導者として、環境づくり、指導方法を考えていきたい」。トップから育成まで、最前線の現場を目の当たりにし、刺激を受け続けた10日間になった。

今後は、欧州で直接つかんだ情報を元に、来年1月のUAEアジア大会に向けた最終選考を進めていく。「メンバーのイメージはあるけど、けが人が出ているのでどうなるか。対応力を持って、ギリギリまで悩みたい」と締めくくった。