日本代表(FIFAランク26位)は、トリニダード・トバゴ(同93位)に0-0の引き分けに終わった。

3月の親善試合で平成ラスト弾を締めたMF中島翔哉(24=アルドハイル)は前半5分にチームの「令和初シュート」を放った。前半から積極的に攻撃にからんだが、無得点のまま後半途中でベンチに退いた。日本代表の「令和初弾」は9日のエルサルバドル戦(ひとめぼれスタジアム宮城)以降に持ち越しとなった。

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令和最初の代表戦でも輝きを放ったのは、DF長友から「ドリブルお化け」と評された中島だった。前半5分、自らドリブルで仕掛けチームの「令和初シュート」を放った。その後も好機では迷うことなくパスではなくシュートを選択。前半だけでチーム最多の6本のシュートを打った。FW大迫、MF堂安と前線を担い、森保体制の「三銃士」とは異なる顔ぶれになったが、その特長は揺らぐことはなかった。

3月26日のボリビア戦で日本代表の平成最後の得点者となった。日本代表で昭和のラスト弾と平成の初弾を決めたのは、当時全日空所属の前田治氏。前田氏に続く「元号またぎ弾」を狙ったが、得点のないまま後半26分にベンチに退いた。

今年2月、ポルトガル1部ポルティモネンセからカタール1部アルドハイルへ移籍した。所属チームではカップ戦制覇を経験し、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でも1次リーグを突破。今年のアジア杯覇者のカタールで「ポジショニングなど、監督がすごく親身になって教えてくれている」と新たな環境でのサッカーを楽しんでいる。「カタール人は守備的な部分ですごくボールを奪うのがうまかったりする。その環境でプレーできているので、ボールを奪う部分を身に付け始めてるのかなと思います」と新天地での成長に手ごたえを口にしていた。

前半41分には自陣でのCKから、相手との1対1の奪い合いを制し、ドリブルで40メートル独走。相手にファウルで止められたが、カタールで身に付けた「ボールを奪う」ことからチャンスにつなげた。

南米選手権のメンバーにも選ばれている。東京五輪世代が集う南米選手権のA代表では、世代的に「中堅」になるが「楽しく遊ぶような感じで一生懸命サッカーをして日本の勝利に貢献できるような感じでやっていきたい」と話す。この日はベンチ外だった18歳のMF久保との「ドリブラー共演」の可能性も十分。令和になって平成以上に中島の輝きは増しそうだ。【岩田千代巳】