サッカー日本代表は24日、W杯アジア最終予選でアウェーのオーストラリア戦(シドニー)に挑む。序盤こそ2敗と苦しんだが、勝てば7大会連続の本大会出場となる。オーストラリア戦といえば、FW浅野拓磨(27=ボーフム)。5年前は最終予選突破の一撃、今予選ではW杯切符をつなぐ勝ち越しゴールを引き寄せた。森保一監督(53)の愛弟子が、ふたたびヒーローになる。

【日本代表一覧】W杯最終予選 豪州、ベトナム戦メンバー

「拓磨が決めてこい」。ピッチに向かうときの森保監督からの握手、かけられる言葉は変わらなかった。

21年10月12日、W杯アジア最終予選。引き分け以下なら、監督の進退問題は不可避だった。ホーム戦で相手はオーストラリア。途中出場し、1-1の後半41分だった。放ったシュートはDFに当たり、勝ち越しのオウンゴールを誘発した。J1広島時代に自身のポテンシャルを開花させてくれた師の期待に応えた。

当時から、ベンチスタートでも監督の信頼を感じていた。呼ばれるのは、チームが劣勢であるときも多かった。「100%、任せてくださいという気持ち」。プレッシャーを、満ちあふれる自信が上回る。

W杯は、ずっと思いをはせてきた大会だ。17年8月31日、W杯アジア最終予選。相手は同じオーストラリアだった。ハリルジャパンのスタメンに入った浅野は、前半41分に貴重な先制点。W杯への扉を開いた。

ただ、本大会はバックアップメンバーだった。チームは決勝トーナメントに進出し、強豪ベルギーを追い詰めた。躍動するメンバーをみて、選手としてわき上がるものがあった。

「チームが解散した時点で、4年後だけを意識して1日1日を過ごしてきた。怖くなるくらい、W杯にとらわれていると感じる」。日ごろの自分の体調、精神状態、フィジカル、そして結果。すべてが日本代表にどう影響するかを考えてきた。

出だしでつまずいた今回の最終予選。自身のゴールもあり、W杯本大会まであと1歩のところまで盛り返してきた。「スタートに出るのでなく、チームを勝たせるのがヒーロー」。先発だろうが途中出場だろうが関係ない。大一番で、もう一丁決めてみせる。【岡崎悠利】

◆浅野拓磨(あさの・たくま)1994年(平6)11月10日、三重・菰野(こもの)町生まれ。三重・四日市中央工から13年に広島入り。15年にベストヤングプレーヤー賞を受賞。J1通算58試合12得点。16年夏にプレミアリーグのアーセナルへ移籍し、レンタル移籍でシュツットガルト、ハノーバーでプレー。19年夏にパルチザンへ完全移籍。21年6月からボーフムに所属。A代表には15年8月の東アジア杯で初招集。国際Aマッチ33試合6得点。171センチ、70キロ。