「イナズマ純也」が、日本を光り輝かせた。MF伊東純也(29)が、フルタイム出場。右サイドを縦横無尽に駆け回り、攻撃にアクセントを加えた。新記録となるW杯最終予選5戦連発とはならなかったが、4戦連発と大いに盛り上げた。予選中に根付いた「イナズマ純也」のネーミング。実は神奈川大学時代から、その名は叫ばれていた。

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「純也~ライトニング、イナズマ純也~」。DAZNを見て、ニッポン放送を聞いて。あの時のメンバーたちは今も、そんな風に応援したことだろう。オーストラリア・シドニー。大雨の中でも、伊東の金髪は、右サイドで光り輝いた。ぬかるんだピッチでも、イナズマのようなスピードは絶対的だった。一瞬で相手を置き去りにするドリブルは光速のよう。「W杯を意識し始めたのは最近。それまでは、見ているだけだった」。今や日本に欠かせない男も、少し前までは、そんな立場だった。

神奈川大学時代。スピードは天下一品だった。得点もたくさん決めていた。それでも、大学の後輩の1人である会社員・中山知之さん(27)は「頼むよ、それ外す? という場面で外すのが純也君だった(笑い)」と懐かしむ。「CKのキッカーも代表でやっていますけど、大学では全くそんなことなかった」と驚きを隠せない。

当時は金髪ではなかった。「群れることも好きではない感じ。サッカー以外、興味がない人。酒飲んで楽しむとか、そういうことにも無縁と言うか」。大学のジャージー姿で、キャンパス内を1人でウロウロしている「シンプルに言うと、地味な人だった」。愛のある“いじり”で、尊敬する先輩を思い返した。だからこそ言う。「今の姿なんて、想像も出来ない」。

W杯を意識出来なかった学生時代から約7年後。W杯最終予選で4戦連発と爆発した。テレビ朝日で解説を務める元サッカー日本代表の松木安太郎氏は「イナズマ純也」と命名。SNSでも広まったが、その名は大学時代から叫ばれていた。「純也~ライトニング、イナズマ純也~」。神奈川大の応援歌だった。何の因縁か-。学生時代も、代表選手になっても。伊東の姿は、イナズマだった。

新記録となる5戦連発は達成出来なかった。それでも、学生時代はなかったCKのキッカーを務め、幾度も精度の高いキックを披露した。そして、相変わらずのスピードで、日本代表を鼓舞した。イナズマのような速さで、日本に光を照らした。【栗田尚樹】