手裏剣体験の従業員さん、ありがとう! W杯カタール大会の日本代表に追加招集された湘南ベルマーレFW町野修斗(23)が9日、平塚市内で行われた記者会見に臨み、代名詞「忍者ポーズ」の誕生秘話を明かした。

出会いは、昨オフ、故郷・三重の伊賀城での手裏剣体験。右手を上にしていたところ男性従業員から左手が上だと注意されたことが始まり。今や「師匠」と呼ぶその人のためにも、カタールの地で何度も「ニンニン!!」する。

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町野は地元の三重・伊賀への思いを聞かれ、声を大にして言った。「僕の象徴である忍者ポーズを世界で見せられるようにしたいです。W杯メンバーは伊賀から初だと思うし、自分のプレーで勇気、感動を与えたい」。今季から始めたゴールパフォーマンスで、リーグ2位、J1の日本人最多の13得点を彩ってきた。

出会いは昨オフ。髪の長い男性だった。伊賀城の手裏剣体験。運命が待っていた。「手裏剣体験をやって、ふざけて忍者ポーズをやって、右手を上にしていたら、めちゃくちゃ怒られた。その人が師匠になりました」。大真面目に言った。「師匠は男性従業員の方です。髪の毛は長かったです。連絡は取っていません」と、あの日を思い返した。

「師匠」の教えを守るため、神奈川に戻ってからも、鍛錬を積んだ。「毎日1時間、風呂上がりに、鏡の前で練習していました」と、左手が上の基本形を体にたたき込んだ。「半年かかりましたね」と今では、右手が上になることはない。「また伊賀城で手裏剣体験行きたいですね」と師匠への思いを胸に、ドーハへ向かう。

伊賀から世界へ-。追加招集の朗報は7日だった。もともとバックアップメンバーを言い渡されていた中、届いた電話。四国への旅行を考えていたが、当然のキャンセル。19年シーズンはJ3の北九州でプレーした苦労人。「自分のプレー次第では、世界を切り開いていける大きな大会。結果を残したい」。新たに、手裏剣ポーズを披露するプランも予告。忍者ポーズだけでは、忍びない!? 様子だった。【栗田尚樹】