なでしこジャパンの活躍を受け、生花店ではナデシコの花が一躍、人気者となっている。「おめでとうなでしこJAPANまつり」を開催中の東京都杉並区「オランダ屋高円寺店」では、ナデシコ科の花10種類以上を店頭に並べている。売れ行きは上々で、店長の清水亜矢子さん(35)は「まさに今が旬の花。女性に贈りたいと、買っていく若い男性が多いですよ」と話した。

 同店が「なでしこまつり」を始めたのはW杯優勝が決まった当日の18日から。すでに決勝までの活躍で「ナデシコありますか?」「ナデシコってどんな花?」とたずねてくる客が増えてきており、チェーン店全店合同でイベントを企画した。初日は長野・佐久からナデシコ200本ほどを仕入れたが、その日のうちにほとんど売れてしまったという。単品で買っていく客も多いが、花束を作る際も「ぜひナデシコを入れて」という人が増えた。

 ナデシコは白や赤、ピンクが主。花弁自体は小さく、同じナデシコ科のカーネーションに比べて地味な存在だ。同店でも昨年までは「他の花の『添え物』として並べている程度」だったという。特徴はイレブンと同様「清らかさと粘り強さ」。切り花でも1週間以上、花を咲かせ続ける。清水店長は「名前を知っていても、実際に花自体を知っている人は少ない。なでしこ優勝をきっかけに、一気にメジャーな花になりそうですね」と話していた。【石井康夫】