強い横浜F・マリノスが帰ってきた。2-1で大宮アルディージャの反撃をしのぐと、ピッチの選手はハイタッチで4年ぶりの5連勝を喜んだ。今季先制した12試合は10勝2分けと無敗。フィールド選手でJ1歴代単独1位となる140試合連続フル出場を達成したDF中沢は「個人の記録よりも、ほしいのはマリノスのタイトル。DFが気を抜かずに90分戦えれば、後半に必ず得点できる自信もついてきた」と手応えをつかんだ。最後にJ1を制した04年の歓喜を知るベテランも、先制して逃げ切る当時の強さを思い出し始めた。

 前半をシュート1本に抑えると、後半14分にMFマルティノスが先制した。さらに同23分には、DF山中がインターセプトから左サイドを駆け上がり、そのまま30メートル近い豪快ミドルで追加点を奪った。守備からリズムをつかみ、攻守も連動して尻上がりに調子を上げる必勝パターンが確立。終盤に1点を失いクラブ新記録の4戦連続完封勝ちこそ逃したが、山中が「こういう試合を守り切れたのが大きい」と成長を実感する。

 故障や出場停止などで、先発を大幅に入れ替えながら前半戦を最高の形で終えた。中沢は「相手が分析してくるこれからが大事」ときっぱり。序盤の出遅れを取り戻し、J1の頂点をはっきりと目標にとらえた。【高田文太】