勝利の青写真は描けている。ベガルタ仙台は6日、明日8日敵地でのルヴァン杯準決勝、川崎フロンターレとの第2戦に向けて仙台市内で調整、リカバリーに時間を割いた。第1戦を3-2で勝利したため、第2戦は勝利かドロー、敗れても1点差以内で3得点以上なら、突破が無条件で確定する。渡辺晋監督(43)は第1戦を分析したうえで、「我々がゴールを奪うチャンスはたくさんある」ときっぱり言い切った。
練習後に行われた囲み取材。報道陣と笑顔で会話していた渡辺監督は、第2戦の具体的な話になるとはぐらかした。「自陣にこもります」。第1戦後の会見でも用いた言葉を繰り返す。守って守ってのスコアレスドロー狙い? しかし、腹のうちは全く違っていた。
「(第1戦は)カウンターでいけたのは大きい。(FW石原が警告2枚で退場した以降)10人になってもカウンターでチャンスをつくれた。(第2戦で)我々がゴールを奪うチャンスはたくさんある」
第1戦。川崎Fは後半開始と同時に3バックから4バックに変更し、2点を奪った。今季はカップ戦では主に3バック、勝ち点5差で首位鹿島を追うリーグ戦では4バックを基本としている。渡辺監督はそこに目をつけた。
「(川崎Fが)4バックに変えたのは攻勢に出るための手段だった。あれだけ後半にゲームを変えたのなら、第2戦もリーグ戦の4バックで来るでしょう」。仙台からみれば、猛攻にさらされる恐れがある半面、前掛かりになった相手にカウンターをしかけやすい。MF三田啓貴(27)も「相手は絶対に点を取りたいわけだから、攻撃的に来る。カウンターで行けるように。クリス(FWクリスラン)もいる」と話した。
第1戦で左太もも裏の違和感のため交代したFWクリスランはこの日、練習場に姿をみせた。別メニューながら、三田の言葉から推察すると、明日の試合には間に合いそうだ。渡辺監督は「(2戦合計)180分で勝ち上がることを達成したい。新しいベガルタの歴史をつくる」と誓った。【秋吉裕介】